厚生労働省から「本格的な流行がすでに始まっている」と発表がされましたので、9月上旬からの新型インフルエンザのリスクを考えてみたいと思います。

先のコラムで「パンデミックBCP」は不要と書きましたが、対策を講じる上で「BCP(事業継続性計画)」はとても重要になります。

しかし、新型インフルエンザは他の災害と異なり、社内で膨大な備蓄が必要になる可能性もあり、対策予算を考えると、コンサルティングを受けるよりも自分たちで対策を進め、コンサルティング費用をそのまま物質的な備蓄に回す必要があるとも考えています。

さて、以下では、簡単なリスク想定をしてみたいと思います。この展開の中から、それぞれの業種・業界におけるリスク想定にブレークダウンできれば、各社の対策も講じやすくなるのではないでしょうか。

◆ 9月からの感染拡大の経路について

?夏休みが終わり、小学校〜高校に生徒が集まる
?集団感染の発生により、学級閉鎖が始まる
※ここがターニングポイントになるでしょう。
もし集団感染が発生しなければ、以下の展開は杞憂に終わります。
?生徒たちの自宅待機により家庭内での2次感染が広がる
※親子感染がケースとして少ないとしても、妊婦の感染・重症化が問題になっている以上は注意すべき点です。
?発症しにくい30代〜50代は保菌者のまま発症せずに出勤
※潜伏期間を含めて、感染を防ぐのは「咳エチケット」の徹底しかありません。
?感染しやすい20代社員が、保菌者から感染して社内で集団感染(3次感染)
?感染者が病院へ殺到することにより院内感染が発生(4次感染)

◆本当に30代〜50代は感染しにくいのか?

厚生労働省の発表では、集団感染数は700件弱。そして重症化している方々も10代以下と50代後半以上となっています。この情報だけで考えれば、やはり30代〜50代の感染リスクは低いものと考えられます。


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