落語家の桂ざこば師匠が、
今年10月、免許証が切れるのを契機に、
「運転免許」を返上するつもりだそうです。
(桂ざこばのざっこばらん、日経MJ、2008/08/07)

ざこば師匠はまもなく62歳。

年のせいか、運転能力の低下を
感じるようになったのが返上理由です。

まだ60歳そこらなのに、
もう運転免許を返上するとは、
ずいぶん気が早いなあ・・・と思います。


でもまあ、ざこば師匠は毎日のように
酒を飲んでますし、いざとなれば、
弟子たちなどに送り迎えさせることも
できるので、自分で車を運転できなくなっても、
それほど困らないのでしょう。


しかし、地方にすむ高齢者にとって、
自分の車がない、また、自分で運転できないことは、
まさに死活問題に近いものがあります。

これは、日常の「買い物」が「おおごと」に
なってしまうという意味です。


たとえば、私の両親が住む福岡の実家は、
田園地帯の集落にあります。

近くに商店街は存在しません。

幸い、徒歩3分ほどのところに、
私が生まれる前からやってる「よろずや」的
個人商店があるものの、最寄りのスーパーまでは、
車でないととても行けません。

もし、父(75歳)が将来運転免許を返上してしまったら、
佐賀に住む弟に来てもらうか、タクシーを呼ばないと、
かさ張る系の買い物はできなくなってしまいます。


帯広大学畜産大学教授、杉田聡氏は、
歩いていける距離に商店がなく、また車を自分で
運転できないことが原因で、買い物に困っている
高齢者の実態を足かけ7年かけて調査しました。
(日経新聞夕刊、2009/08/06)


杉田氏は、買い物に困っている高齢者を

「買物(かいもの)難民」

と名づけています。


買物難民が発生した背景には、
自動車の普及によって郊外に大型店が展開したため、
客を奪われた地元の個人商店や商店街が衰退・消滅して
しまったことがあります。


全国13市町村、65歳以上の1人暮らし、または夫婦だけの
高齢者を対象に行った、杉田氏のアンケート調査結果によれば、


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