『タスポ効果の次はおにぎり効果?』‐コンビニ各社がおにぎり100円セールを実施して、タスポ効果が薄れた後の売上拡大に躍起になっている。果たしてなぜおにぎりなのか?コンビニ業界のマーケティング戦略をシリーズで追う

■ コンビニ各社が仕掛けた“おにぎり100円戦争”!

コンビニ各社がおにぎりを戦略商品と位置付けて100円キャンペーンを繰り広げている。先陣を切ったのはローソン。7月24日から1週間、140円未満のおにぎりを100円に値下げして販売するキャンペーンを行った。続いてファミリーマートも7月30日から8月2日まで150円以下のおにぎりを100円で販売。そして、いよいよコンビニの雄であるセブンイレブンが8月7日より8月11日までの5日間限定で160円未満おにぎり全品を100円に値下げして販売するキャンペーンを実施する。


■ タスポ効果で百貨店業界を抜き去ったコンビニ業界

2008年、ICが組み込まれた成人識別カードを入手しなければ自動販売機でたばこが買えなくなる制度が導入された影響で愛煙家はカード不要で手軽にタバコが購入できるコンビニに流れた。ここで、愛煙家はタバコのみならずコーヒーやおにぎりなどをついで買いし、コンビニ業界に強烈な追い風が吹いた。いわゆる、“タスポ効果”である。

コンビニ業界はこのタスポ効果を受け、2008年の売上高が7兆8566億円を記録。不振が続く百貨店業界の7兆3813億円を抜き去り、初めての“百貨店超え”を実現する。ところが、タスポ効果が剥がれ落ちた最近では一転して売上が低迷。日本フランチャイズチェーン協会の発表によれば、2009年6月のコンビニの既存店売上高は前年同月比2.3%減の6059億円となった。主力の弁当類が低迷した上にタバコのついで買いが減った要因で、客単価が4.8%の減少。7月に入っても天候不順で大手コンビニ全ての売上が減少している模様だ。


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