「より多くの選択肢」を、「より安く」、「より簡単に」、探し出すことを求めて、ウェブへの顧客大移動が起こっている昨今。「訪れる意義」ある店舗づくりが問われてきている。一方、アメリカの店舗市場では、ウォルマートがナンバー・ワンを誇る商品カテゴリーが長いリストをなす。ウォルマート/アマゾンが独占を狙う市場で、生き延び、繁栄していくための戦略とは・・・?

最近、買い物をしていて思うこと。それは、アメリカの「店頭」や「コンタクトセンター」などといった、「接点」が大きく豹変してきているということだ。

私がここでフォーカスしたいのは、「人」ならではの力を活用した接点の大変革である。個々人のもつ個性やパーソナリティ、知識や感性、表現力などのアセットを最大限に発揮させ、「唯一無二のお客様体験」の創造をめざす試みが、そこかしこに見られるようになってきているという話だ。

一例として、アメリカに「トレーダー・ジョー(Trader Joe’s)」というスーパーマーケット・チェーンがある。「貿易商ジョーの店」というその名の通り、食品、ワインを中心に、世界中から買い集めてきたありとあらゆる商品をところ狭しと並べて売っている。ほとんどが、この店でしか買えない「プライベート・ブランド商品」であり、行けば必ず、面白いもの、珍しいもの、掘り出し物が売っているという期待感を抱かせてくれる店である。

でも、この店の魅力は、単なる商品力に留まらない。「近所の店」、「馴染みの店」を思わせる独特の接客も、他店にはない価値を生み出している。


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