結局、選手が岡田サッカーを消化し切れないでいるのは、その言葉が本物ではないからなのではないか。
 大木前甲府監督がコーチとして入閣──。一報を聞いた同業者の大多数が「あの2人に接点なんてあった? 大体、岡田監督は甲府の試合なんて見てないはず。スカパーで見ていた、と言われたら反論できないけど」と言い合ったものである。
 2人は、95年にS級ライセンスを同期取得している。面識がないわけではない。会えば話くらいはするだろう。だからといって「2人でサッカー談義」をするほどの仲だとは……。
《オシムの後釜に据えたはいいが、技術委員会が「岡田さんは攻撃にアイデアがない。Jリーグもあまり見ていない。大木さんを紹介しよう」と引き合わせた》《所属事務所の関係で2人に接点が生まれ、まずは大木さんの再就職にひと肌脱ごうとして会ったら、サッカー理論に感心した岡田監督が代表コーチに押し込んだ》
 根も葉もないウワサ話の類だろうが、岡田監督の周辺には、いろいろな話が飛び交っている。それもこれも、岡田ジャパンが快進撃を続ければ、すべては雑音として消え去っていくのだが……。

著者プロフィール
匿名記者
本職は某有名新聞の敏腕記者。新聞紙面に掲載することのできないサッカー界の裏話を書き綴る。