前年度のチャンピオンズリーグ、チャンピオンのミランとUEFAカップ、チャンピオンのセビージャの激突は、ミランがチャンピオンズリーグ王者の貫禄を見せ3-1で快勝し、UEFAスーパーカップを制した。

　28日に22歳の若さでこの世を去ったセビージャのアントニオ・プエルタは、モナコのルイ2世スタジアムのピッチに立っていた。天国の左サイドで。セビージャもミランも背番号の下に“プエルタ”の名前が入ったユニフォームを身にまとい、“プエルタのために”を胸に戦い、それにふさわしい試合となった。

　前半14分、CKのチャンスからレナートがヘッドで決め、セビージャが先制する。しかし、追加点を奪うことはできず、後半に入るとセビージャのペースが落ちた。54分にはガットゥーゾのセンタリングからインザーギのヘッドで同点とされ、その5分後にはヤンクロフスキーのスーパーゴールが決まり、逆転される。86分にはカカのPKをパロップがセーブするが、弾いたボールをそのままカカがヘッドで押し込み、ダメ押し弾。ゴールを目指したセビージャだがミランのゴールを破ることはできず3-1で破れた。

　レナートのゴールが決まった後、セビージャのメンバーらは一つにまとまり天を仰いだ。カカはゴールを決めるとユニフォームのプエルタを指し、彼にゴールを捧げた。そして、セードルフはピッチに下がる際、ユニフォームを脱ぎ、プエルタの哀惜の意を込めた。UEFAスーパーカップを制したはミランだが、その勝利をプエルタに捧げている。

　セビージャの歴史を変えたプエルタは、間違いなくルイ2世スタジアムにいた。そしてこれからもセビージャの12番目の選手として、チームメイトらとともにプレーし続ける。

(スペイン通信)