リバプールのラファエル・ベニテス監督は、出場機会を求めて移籍を希望していると言われるイングランド代表FWピーター・クラウチの去就についてコメント。31日までの移籍期限内に、この長身FWを放出することはないと断言した。

　今夏の移籍マーケットで大型補強を敢行したリバプール。特にFW陣ではスペイン代表のフェルナンド・トーレスやウクライナ代表のアンドレイ・ヴォロニンといった即戦力を獲得し、そのメンバーは大きく様変わりした。さらにベニテス監督は、選手の疲労を考慮して、試合ごとにメンバーを入れ替えるローテーション制を積極的に取り入れており、各選手の出場機会は必然的に制限されることに。中でもクラウチは、リーグ戦ではベンチ入りメンバーから外されることも多く、出場機会はほぼカップ戦に限られるなど、すでに移籍を示唆するほどフラストレーションを溜め込んでいる。

　一部報道では、ポーツマスがクラウチの獲得に興味を示しているとも言われているが、ベニテスはこれを全面否定。31日までの移籍期限内に、クラウチを含め、現状のメンバーから選手を放出するつもりはないと語っている。

「クラウチに対する獲得オファーはない。少なくとも今朝の時点まではね。私の考えは、これまで通りだ。これ以上、誰も放出するつもりはない。クラウチとも直接話したし、彼を必要としていることは分かってもらえているはずだ」

　現時点では、ディルク・カイト、トーレス、ヴォロニンに続く4番手の位置に甘んじているクラウチ。指揮官は放出を否定するが、このまま出場機会が制限され続ければ、イングランド代表選出にも影響を及ぼしかねない。名門クラブでのポジション奪還か、出場機会を求めて新天地を目指すか…。長身FWのキャリアは岐路を迎えている。