「チャンピオンズ・リーグを戦う上で敵のスカウティングは、組み合わせ抽選の翌日から相手の所属するリーグでの鍵となる数試合を見ることから始まる」

　今季のチャンピオンズ・リーグも予備予選が進んでいる。欧州の檜舞台に参戦するため、本選まで激戦が繰り広げられているが、昨季の覇者ミランのアンチェロッティ監督が、ホーム＆アウェイの戦い方のコツについてこう述べている。

「例えば、セルティックと当たった昨季決勝トーナメント1回戦の場合、セルティック・パークでの第1戦の前にスコットランド・リーグでの直前2試合に専門スタッフを派遣してリサーチさせた。
　第1戦と第2戦の間に、もはや人間を送ってスカウティングすることはしない。ただし、細心の注意をもって相手がどの程度第1戦から戦力を整えてくるかアナライズはするがね」

　ベテランばかりと言われながら、リバプール相手に見事に2季前のリベンジを果たした昨季のミラン。特に決勝トーナメントに入って以降、セルティック、バイエルン・ミュンヘン、マンチェスター・Uといった強豪たちをいずれも第2戦での劇的な勝利で葬ってきた。
「ピッチでの十分な経験がミスを修復し、第2戦への正確な軌道修正へ役立つことは間違いないのだ」

　昨季2度目のビッグイヤーを掲げた指揮官。今季は2連覇を見据えて、今から入念なシーズン・プランを練っていることだろう。