フランス代表のキャップ数92試合（26ゴール）を誇るベテラン、シルバン・ビルトール（リヨン）の古巣レンヌ復帰が実現しない見通しとなった。

　レンヌのド・サンセルナン会長は30日、レキップ紙に「もう終わったと考えている。シーズン開幕は来週に迫っている。8月は試合が多いから、開幕前にフォワードをひとり是非とも獲得したいところだ。我々は（ビルトール獲得のために）できることはすべてしてきた」と事実上の断念表明を行なった。

　レンヌが合意成立の最終期限に設定していた29日を過ぎても交渉はまとまらなかった。リヨンのオラス会長は先に、「レンヌとは合意に達した。あとは本人とレンヌの話し合い次第」と語っていたが、レキップ紙によると、残る1年の契約の扱いをめぐり、リヨンとビルトールの主張が平行線をたどった模様。一時はビルトールの“厄介払い”を考えていたフシもあったオラス会長も、残留を受け入れる方向へと態度を一転させつつある。またペラン新監督は、ビルトールを戦力として計算に入れたい考えだ。

　ただしオラス会長は、別のクラブからオファーがあれば、これに応じる構えと伝えられる。可能性がありそうなのは、マルセイユとパリ・サンジェルマン（PSG）。マルセイユは、代表でともにプレーしたシセとのコンビネーションに魅力を感じている。PSGはパリ郊外出身のビルトールがこれまで何度となく「いつかはユニフォームを着てみたい」ともらしていたチーム。いずれにせよ、移籍期間が終了する8月31日までには、丸1ヶ月残っている。