〈【音声入手】“裏金入閣”簗和生新農相が自民党支部の会合で“トンデモ発言”をしていた《「良識のある皆さんだということで」と話し始め…》〉から続く

 簗和生農相(47)は10月2日午前の閣議後記者会見で、衆院選における自身への支持が不十分と見なした地元の自治体に対し「道路予算については大幅にカットをしました」と発言していたと「週刊文春」などが報じた件について、「大臣就任前の一議員としての活動に関する事柄についてはコメントを控えたい」と言及を避けた。記者から本件に関して再三質問を受けたが、10回以上にわたり「コメントを控える」という回答を繰り返した。

【実際の音声】“裏金入閣”簗和生新農相の“問題発言”とは?「道路予算については大幅にカット…」

 同日夕方には一議員としての記者会見を開き、「表現ぶりが一部誤解を招くものであった」と説明。「報道で書かれているので、そういう発言をしたのだと思う」と発言を認めた。また、進退については「職責を果たしてまいりたい」と続投の意向を示した。

 一体、どのような場での発言だったのか。音声データも併せて報じた「週刊文春」の記事を再公開する。(初出:「週刊文春 電子版」2026年9月30日配信)

「代議士がお見えになりましたので」

 司会者から促された男性はマイクを握り、「今日はですね、総会ということで、集まっている皆さんは良識のある皆さんだということで」と滑らかに話し始める。会場から「ゆっくりやっていいよ!」と後押しされると、会場は和やかな雰囲気に包まれた。

 マイクを握った男性は、第二次高市改造内閣で初入閣を果たした自民党の簗和生新農相(47=当時は筆頭副幹事長)である。だが、簗氏はこの場で--。

裏金議員の閣僚起用は初めて


旧安倍派の簗農相 ©時事通信社

 簗氏は慶応大学商学部を卒業後、東京大学大学院を修了。衆院議員の秘書などを経て、2012年の衆院選で初当選を果たした。栃木3区が地盤で、現在当選6回。文科副大臣などを歴任後、今回、コメ問題などを舵取りする農相に起用された。

「簗氏は旧安倍派の所属で、85人の裏金議員のうちの一人です。2024年2月、自民党は裏金問題を巡るアンケートの集計結果を公表。簗氏は5年間で計1746万円の不記載が判明し、当時、党から役職停止6カ月の処分を受けました。党の調査で裏金問題への関与が認定された議員を閣僚に起用するのは初めてのことです」(自民党関係者)

最も重要なイベントでのスピーチ

 初入閣から遡ること約4ヵ月前の今年5月24日、簗氏は地元である栃木3区の有力者らを集め、大田原市内の宴会場で行われた自民党大田原支部の総会に出席していた。

「その日、簗代議士は各地で催されていたフェスティバルなどの行事を忙しなく回っていましたが、最も重要なイベントが総会でした。ただ、総会後の懇親会で簗氏は30人ほどの地元議員や支持者らを前に“トンデモ発言”を繰り出していたのです」(地元関係者)

「週刊文春」は今回、簗氏の発言が記録された16分29秒の音声データを入手した。冒頭のように簗氏は「良識のある皆さんだということで」と挨拶。「選挙の総括ですね」と述べたうえで、以下のように語り出した。

【音声公開】簗氏の実際の発言

「那須烏山市と那珂川町の令和8年度の道路予算については大幅にカットをしました。2つの要件がありますので言っておきます。1つは首長が『自民党の国会議員は要らない』という行動をとったものですから。2つ目の要件は(衆院選の)票数ですね。多くの市民、町民がそういう判断をしたということですから、そうであればですね、『自民党は必要だ』と。『自民党の議員に頼ってインフラ予算が必要だ』というところに多く(予算を)回すのが当たり前の話ですから、それをやりました」(発言について簗氏に取材を申し込んだが、期限までに回答はなかった。)

 今年2月の衆院選。簗氏は自民党公認で出馬したものの、松下政経塾出身で無所属の渡辺真太朗氏が猛追。那珂川町長や那須烏山市長らが渡辺氏を支援した結果、簗氏は選挙区で敗退してしまったのだ(比例復活で当選)。「(道路予算を)大幅にカット」したと明かしたのは、その渡辺氏を支援した自治体だった。

 音声データに収録されていたのは、これだけではない。現在配信中の「週刊文春 電子版」では、簗氏による“トンデモ発言”の一部始終、地元議員が語った簗氏への批判などについて報じている。また、音声データも併せて公開している。

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「週刊文春」では簗農相について取材を進めています。情報提供は文春リークスまでお寄せください。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 電子版オリジナル)