旅とカメラ、旅とレンズ:街歩きにキャンプに……動画・写真を気軽に残せる“旅の1台” Osmo Pocket 4P
海辺で夕日を眺めて、暗くなったら焚き火を楽しむ。そんなのんびりした時間を過ごしたくて、北海道の日本海側にある増毛町へ、ソロキャンプに出かけました。海の幸を味わえて、歴史ある街並みも歩ける増毛は、道中の寄り道も楽しめる目的地です。
今回の旅のお供は「Osmo Pocket 4P」。私は初代Osmo Pocketから、このシリーズを気軽なお出かけ用の動画カメラとして使ってきました。最新の4Pでは従来の20mm広角カメラに60mmのカメラが加わり、デュアルカメラ構成になっています。
広い景色を撮るだけでなく、気になったものを少し大きく切り取れるようになり、スナップカメラとしての魅力が増した1台です。なお、本文中の焦点距離はすべて35mm判換算の値です。
RAWで撮影。写真モードで使えるアスペクト比は16:9または1:1のどちらかです。日没直後の空の色をしっかりと残して撮影できた。手前のランプの炎の色がしっかり残っているのも好印象。今回のRAWはすべてDaVinci Resolveのフォトモードで現像しました。
Osmo Pocket 4P/7.08mm(20mm相当)/プログラムAE(1/2,000秒、F2、±0.0EV)/ISO 50
もう1つ、楽しみにしていたのが、20mm側に搭載されたLOFICセンサーです。明るい部分の階調を残しやすいという特徴が、夕日や焚き火の撮影でどれくらい生きるのか。海辺でのんびり過ごしながら、そんなところも試してみることにしました。
日本海沿いを走って増毛へ
増毛町は、甘エビをはじめとする海産物や、日本最北の酒蔵「国稀酒造」で知られる町です。札幌からは車で約2時間半。日本海沿いの国道231号、通称オロロンラインを走れば、海を眺めながらのドライブも楽しめます。
せっかくなので、目的地までの道のりも動画に残しておきましょう。今回はOsmo Pocket 3で使っていた車載マウントを流用し、ダッシュボードに4Pを設置しました。
取り付けて撮影を始めると、ジンバルが走行中の揺れを抑え、滑らかな映像を記録してくれます。暗いトンネル内から明るい出口へと移る場面でも、自然な露出で撮影してくれました。
トンネルに入って出るまでの露出の滑らかな遷移はさすが。カーブでも安定して撮影してくれます。音声は特に断りがない限りすべて本体内蔵マイクの音をそのまま使用しています。
なお、今回の動画はすべて4Kで撮影しています。露出はオートに任せ、NDフィルターも使わない気軽なスタイルです。4Kをストレスなく撮れるのもOsmo Pocket 4Pの良いところです。
ただ、この日は晴れ予報だったものの、空には強い霞がかかっていました。すっきりとした青空を期待していたので少し残念ですが、思い通りにならない天気も旅のうち。夕方には晴れてくれることを願いながら、増毛へ向かいます。
甘エビ丼と、60mmカメラの出番
増毛に着いて、まず向かったのは海産物の直売を行う遠藤水産。街歩きの前に、ここでお昼ご飯です。
RAWで撮影。強い逆光のシーンでしたが太陽の周囲以外の階調はしっかり残っています。
Osmo Pocket 4P/7.08mm(20mm相当)/プログラムAE(1/16,000秒、F2、±0.0EV)/ISO 230
選んだのは甘エビ丼。ケースに並ぶ具材をレジへ持っていくと酢飯を渡され、自分で丼に仕上げるスタイルです。プリッとした甘エビは甘みが濃く、量もたっぷり。近くの休憩所で、熱々のエビ汁と一緒にいただくこともできます。
RAWで撮影。60mm側でギリギリまで近づくとこのくらいまで寄れます。自然なボケ感も良い感じです。全体を撮影する前に一口食べてしまったのは内緒です。
Osmo Pocket 4P/15.93mm(60mm相当)/プログラムAE(1/2,000秒、F1.8、±0.0EV)/ISO 50
旅先での食事をサクッと撮っておこうというときに便利なのが60mmカメラ。20mmで器に近づくと遠近感が強く出過ぎてしまいますが、60mm側なら器の形をすっきりと見せられます。料理を撮るには十分に寄れるので、旅先の食事を記録する場面でも使いやすく感じました。
20mmカメラと60mmカメラの違い。20mmでダイナミックに寄ってみるのも面白いが、スッキリ撮れるのは60mm。2つのカメラをうまく使い分けよう
お腹が満たされたところで、今度はカメラを片手に町を歩いてみましょう。
歴史ある町並みを、歩きながら撮る
かつてニシン漁で栄えた増毛には、明治から昭和初期にかけて建てられた歴史的な建物が残っています。「増毛の歴史的建物群」として北海道遺産にも登録されている街並みは、歩いて巡るのにちょうどよい広さです。
まずは旧増毛駅。2016年に留萌~増毛間が廃線となり、駅としての役目を終えましたが、現在は開業当時の姿を再現するように整備され、建物の中も見学できます。周辺の数百mほどの範囲には、国の重要文化財である旧商家丸一本間家など、見どころがコンパクトにまとまっています。
歩きながら撮影する場合、ミラーレスカメラの手持ち撮影では歩き方にもかなり気を使いますが、Osmo Pocket 4Pなら普段と同じ歩き方でも街並みを滑らかに捉えられます。
コンパクトなカメラなのでローアングル撮影や撮り歩きも簡単です。あえてカメラのことは気にせずラフに歩いて撮影しましたがジンバルが体の動きをよく吸収してくれました。ボタン1つで20mmと60mmを切り替えられる手軽さもいいですね。
通りを1本外れれば、日本海を望むのどかな港町の風景を見つけることもできました。
少し離れたものが気になったら、60mm、そして 120mm相当のロスレスズームの出番です。これまでのオズポケで感じていた「もう少し望遠が欲しい」という場面にも応えてくれます。この先のズームは画質とのトレードオフにはなりますが、最大240mm相当まで使うことができ、海辺で休むカモメの姿も大きく写せました。
遠くに見えるカモメの姿も240mmまでズームすればかなり大きく映すことができます。やや画質は落ちますが、旅の記録用に撮っておくなら十分な画質かと思います。
街歩きの途中には、増毛を訪れたら立ち寄りたい国稀酒造へ。試飲コーナーや資料室があり、お酒好きにはたまらないスポットです。
室内は光が少なく、小型カメラではノイズが気になることもありますが、今回の映像はクリアに撮れていました。屋内でも設定を気にせず撮影を続けられるのは、旅カメラとしても心強いですね。
室内の輝度差のあるシーンはD-Logで撮影。Log撮影をすることで幅広いダイナミックレンジで撮影でき、編集時の色調整の自由度も増す。このカットはD-Logから通常の色味に戻しただけの編集。
海を目の前に、ソロキャンプ
町をひと巡りしたら、今回の旅の目的地、暑寒海浜キャンプ場へ向かいます。
目の前に日本海が広がるこのキャンプ場は、なんと無料。先ほど歩いていた増毛の市街地からも近く、コンビニや温泉へも歩いて行ける便利な場所です。海辺で過ごす時間と街歩きを、セットで楽しめるのもうれしいですね。
夏季利用が中心のキャンプ場ですが、炊事場やトイレの利用可能期間は年によって異なるため、気になる方は増毛町HPなども参考にしてみてください(今期は炊事場が9月24日まで)。また、ゴミや灰は各自で持ち帰る必要があります。
まずはテントの設営です。ここでOsmo Pocket 4Pのトラッキング機能を使ってみました。
カメラを置いてトラッキングを始めると、設営中に動き回る私に合わせてカメラが向きを変えてくれます。途中で体が隠れる場面があっても、作業する姿を追ってくれました。これもジンバルカメラならでは。ソロキャンプなのに、誰かが撮影してくれているようです。
15分以上連続で撮影していましたが、トラッキングは一度も外れなかったことにびっくりです。後ろ向きの体勢や完全に体が隠れた後でもトラッキングしてくれました。一部ぎこちない動きもありますが、ここからクロップして再編集すればかなり使える素材になりそうです。
夕方になると、少しだけ太陽が顔を出してくれました。せっかくなので、カメラを持って近くの海岸へ。この旅で楽しみにしていた、夕暮れの撮影です。
ここでは20mm側のカメラを使い、D-Log 2で撮影しました。最大17ストップのダイナミックレンジを謳うLOFICセンサーの実力を、夕方の海で確かめてみます。水面が強くきらめく場面でも、明るい部分の階調が残っていたのが印象的でした。
4K240fpsのスローモーションも試してみました。普段なら見過ごしてしまいそうな波打ち際も、動きをゆっくり見せるだけで、映画のワンシーンのような雰囲気になります。何気ない景色の中に、動画ならではの面白さを見つけられました。
最大17ストップのLOFICセンサーを最大限に活かすのがD-Log 2です。20mm側しか使えないなどの制約はありますが、フルサイズセンサーを凌ぐハイライトの粘りを見せる場合があります。4Kで240pのスローモーション(60mm側は200pまで)が撮れるのも嬉しいですね。最新ファームウェアではスローモーションもD-Logで撮影できるようになりました。
やがて周囲が暗くなり、ランタンの明かりが必要になってきました。ここからは、焚き火を楽しむ時間です。
RAWで撮影。オートのまま何の問題もなくランタンの明かりをしっかり残してくれます。背景のボケの具合も良いですよね。
Osmo Pocket 4P/15.93mm(60mm相当)/プログラムAE(1/50秒、F1.8、±0.0EV)/ISO 560
暗い周囲と、明るいランタンや炎が同じ画面に入る夜のキャンプは、小型カメラにはなかなか厳しい場面です。それでも4Pはクリアに記録してくれて、ランタンの明かりや焚き火の炎にも色が残っていました。
思いつきでタイムラプスも撮ってみましたが、非常に簡単な設定で初めてでも迷わず撮影できたのも良かったです。20分を20秒間に圧縮して雲のダイナミックな動きを撮ることができました。
焚き火の炎もしっかり色を残して撮影できます。編集時にノイズリダクションは掛けていませんが、夜でもこれだけクリアに撮れるのは嬉しいですよね。
昼間の街歩きから夜のキャンプまで、この小さなカメラで撮り続けられるのは本当に心強いです。
旅を楽しみながら、記録も残せる1台
ドライブの道中から食事、街歩き、そして夜の焚き火まで。今回の旅では、Osmo Pocket 4Pをいろいろな場面で使いました。ポケットに入るサイズで、歩きながらでも撮れて、露出はほぼカメラ任せ。それでもこれだけの記録を残せることに、改めてカメラとしての完成度の高さを感じます。
RAWで撮影。60mmカメラで撮影しましたが、前ボケも後ボケも自然に撮影できています。動画を撮る傍ら、スマホのカメラよりちょっと上質な写真を撮れるところも気に入りました。
Osmo Pocket 4P/15.93mm(60mm相当)/プログラムAE(1/500秒、F1.8、±0.0EV)/ISO 50
もう1つ、使ってみてよかったのが103GBの内蔵ストレージです。今回は4Kの高画質モードで撮影しましたが、写真と動画はすべて内蔵ストレージに収まりました。万が一メモリーカードを忘れても撮影を始められるのは、気軽に持ち出すカメラとしてうれしいポイントです。
撮影そのものを目的に、カメラやレンズを選んで出かける旅ももちろん楽しいですが、旅そのものを楽しみながら、その様子もきちんと残しておきたい。Osmo Pocket 4Pは、そんな旅のお供にぴったりのカメラでした。
次の旅はもちろん、普段のお出かけにも、いつも近くに置いておきたい1台です。
撮影協力:増毛町商工観光課、国稀酒造
