「聖闘士星矢」は世界80カ国以上でアニメが放送され、コミックスは国内外で累計5000万部を超える大ヒットを記録した

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数百万円程度なら笑って許そうと……

「リングにかけろ」「聖闘士星矢(セイントセイヤ)」などの作品で知られる漫画家車田正美氏(72)が、会社の資金を横領されたとして、9月2日に損害賠償を求める訴訟を起こした。被害総額はじつに46億円余り。主たる被告は、元マネージャーで50代男性のA氏だ。車田氏が胸中を語った。

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【写真を見る】元マネについて「死ぬ間際に悔いがないよう自分の過ちを振り返ってほしい」と語った車田氏

 A氏は「車田プロダクション」など、車田氏が代表を務める3社の取締役だった。経理や渉外を担う立場にあったという。もともとは集英社で車田氏の担当編集者を務めていたが、所属先の編集部が2011年に解散したのを機に、車田氏に会社設立を持ち掛け、翌年には取締役に就いたという。

聖闘士星矢」は世界80カ国以上でアニメが放送され、コミックスは国内外で累計5000万部を超える大ヒットを記録した

 車田氏が語る。

「私は銀行口座の通帳やカード、印鑑などを全てAに預けていました。それほど信用し切っていたのです。問題が明らかになり始めた当初は、ここまで巨額の金をせしめているとは考えてもいなかった。数百万円程度なら怒鳴りつけた後、笑って許してやろうと思っていたくらいです」

“先生、この問題が解決したら……”

 だが、被害額は車田氏の想像をはるかに上回る金額だった。証拠がそろい出した一昨年3月、車田氏は代理人の河合弘之弁護士、野崎智裕弁護士と共にA氏に話を聞いた。

「すぐに横領を認めました。証拠をもとに幾らやったのか問い詰めると、本人は18億円くらいだと言う。その場でお金を返すよう誓約書にサインさせ、クビを告げたのですが、Aは帰り際に驚くべきことを口にしたのです。“先生、この問題が解決したら、再び私を雇ってくれませんか”と。私が何でも許してくれる人間だと、高をくくっていたのでしょう」(車田氏)

「金儲けのために漫画を描いているわけじゃない」

 発覚のきっかけは、一昨年初頭に入った税務調査だった。税務申告の額が少なく、不審な資金の動きも確認された。調査を進める中で、A氏による横領が判明。また、その後、被害額はA氏が認めた18億円にはとどまらないことも明らかになる。誓約書をもとに約18億円は回収できたものの、残る28億9688万円の行方はいまだ不明だという。

 改めてA氏について聞くと、真剣な顔で車田氏は次のように述べた。

「人の心が残っているのなら、死ぬ間際に悔いがないよう自分の過ちを振り返ってほしい。私は金儲けのために漫画を描いているわけじゃない。そういう気持ちを少しでも分かってくれないでしょうか」

 9月10日発売の「週刊新潮」では、今年5月にA氏が車田氏へ送った“泣き落とし”の手紙の内容や、調査の過程で浮上した第三者の存在、知人が語るA氏の別の顔などについて詳しく報じている。

「週刊新潮」2026年9月17日号 掲載