なぜたったの1億8000万円? “格安”だった中村敬斗の移籍金の背景 仏名門リヨンが抱える“ウラ事情”「ナカムラの移籍は奇妙だ」

今夏にフランク屈指の名門にステップアップした中村(C)Getty Images
本人にとっても待望の移籍は欧州でも小さくない驚きを生んだ。現地時間9月2日、フランス1部の名門リヨンは、2部のスタッド・ランスから日本代表FWの中村敬斗を4年契約100万ユーロ(約1億8160万円)で獲得したと発表した。
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現在26歳の中村は、スタッド・ランスが1部から2部に降格した昨夏も移籍を志願。しかし、実際に複数クラブからのオファーは舞い込んでいたものの、2028年6月30日までの契約を締結しているクラブが拒否したために実現せず。ワールドカップを目前にしたシーズンを2部でのプレーを余儀なくされた。
今夏は必ずステップアップする--。そんな気概で動いた中村側は、移籍に向けた交渉に奔走。スタッド・ランスが強気なバイアウト額を設定したため、新天地探しは難航を極めたが、移籍市場の最終盤で何とか実現にこぎつけた。
そもそもフランスの移籍市場は1日が期限。通常であれば、中村の移籍も認められなかったが、同国では国内クラブの移籍に限り、1人だけ獲得が可能な“ジョーカー条項”が存在する。それによって今回のリヨン移籍は叶う形となった。
もっとも、移籍金100万ユーロは“破格の安さ”のようにも映る。中村は日本代表のレギュラークラスであり、ヨーロッパでの実績も十分。市場価値を考えれば、かなりのコストダウンとも言えよう。実際、ドイツのサッカー専門誌『Kicker』も「ファンはきっと二度見したに違いない。2030年6月までの契約を結んだナカムラの移籍は奇妙だ」と伝えている。
当然ながら契約規模の小ささには“ウラ”がある。フランスのスポーツ専門ラジオ局『RMC Sport』によれば、深刻な財政難に陥っているリヨンは、スタッド・ランスが要求した2000万ユーロ(約36億3100万円)を早急に用意することができないため、100万ユーロを先払い。契約に最大1900万ユーロ(約34億5000万円)となる変動型ボーナスと再売却時に利益の12.5%を分配する条項を付帯させて折り合いをつけたという。
同メディアによれば、ボーナスの半分は今冬までの約6か月間で支払われる約束となっており、スタッド・ランス側も「リヨンの支払いを先延ばしにする手法に不満を抱くことはなかった」という。
その契約内容は、まさに複雑怪奇。スタッド・ランスとの交渉がいかに難航したかを物語ってもいる。それでも、だ。中村はなんとかリヨンというヨーロッパでも屈指の名門に加わった。これは明確なチャンスであり、ここでどれだけアピールできるかは、さらなる飛躍へと繋がるだけに注目したい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]

