英語をすべて日本語に翻訳せず、英語のまま理解するための学習法として、SNSで大きな注目を集めている個人開発のツールがある。読みたい文章を入力すると英語と日本語が混ざった文章を作成する「Mazelingo(まぜりんご)」だ。このツールはSNSへの投稿をきっかけに話題を呼び、多くのユーザーから反響を得ている。

【映像】日本語×英語を混ぜて学ぶ“Mazelingo”

 ニュース番組『わたしとニュース』では、英語を英語として理解するための「Mazelingo」の学習法と機能について、タレントのSHELLYとともに深掘りした。

■「Xがやめられない」から生まれた画期的な学習ツール

 「Mazelingo」の開発者である25歳のITエンジニア・とよふく氏は、開発のきっかけについて「皆さん日本人の人、英語が喋れたらいいなと思う人はいっぱいいると思う。僕もその一人で」とした上で、自身の趣味であるSNSの閲覧を挙げた。「外国人で日本語を喋れるようになった人はアニメが見たいなどといった熱意があると思うが、日本人が英語に対して熱意がある人は少ないと思う。そういう熱意があるものとして、自分の場合は何かといえばX(旧Twitter)を見るのがやめられないタチなので、Xを見ながら勉強できればいいのではないかと考え、ツールを作り始めた」と明かす。

 さらに、「全部英語に翻訳してしまうと勉強にはなるが、負荷が重すぎると使わなくなってしまうという落とし穴に落ちると思う。一文だけ英語にしたり、パーセンテージを設定することで負荷を変えられるように。混ぜたほうが頭の翻訳癖がなくなって理解力が上がることに気づき、これはすごいぞとなった」と開発秘話を語った。

 このツールを紹介するSNSの投稿には、13万件以上の「いいね」と17万件以上のブックマークが付き、「発想が面白くて画期的」「言語を混ぜるのは賢い没入学習のハック」「ブラウザに最初から入れてほしい」などと大反響を呼んだ。これについてとよふく氏は「みんな結構これいいねと褒めてくださったので、自分がいいなと思っていたものがいろいろな人に伝わったという実感があって嬉しかった。外国人の方も『これいい』と言ってくれた人が結構いたのでそれも嬉しかった」と喜びを語った。

翻訳癖の解消がもたらすリスニング力の向上と効率的な操作性

 とよふく氏はMazelingoをしばらく使い続けた結果、実生活での効果を実感したという。「偶然にも外資系の企業とやり取りがあって、外国人の方が話している内容が、Mazelingoを使う前よりも分かるぞとなった。それは翻訳癖がなくなったから。英語を英語として捉えられない人が多いと思っていて、英語を読む時に頭の中で日本語に順番を入れ替えたり、単語ごとに読み替えたり、そういうふうに頭から読めない」と、翻訳癖をなくすことの重要性を指摘する。

 現在も改良が進められているというMazelingo。その中には開発者としてのこだわりがある。「文章をクリックするとその上に吹き出しが出て、そこに対訳が出てくる。それによって分からない文章があったら一瞬でどういう意味か確認できる。一瞬分からない文章があってもすぐに取り戻せるという強みがあり、それも勉強がはかどることに寄与しているのではないか。日本人に対する新しい勉強法として、役立つアプリとして、利用者が増えたらいいなと思う」。

■英語だけじゃない?18言語への広がりにSHELLYも絶賛

 番組では、実際にタブレットでMazelingoを使ってみた。最初は英語を30%、日本語を70%に設定。そこから英語の割合を60%に引き上げると、表示される英文の量が瞬時に増加した。さらに、難しい英文をタップするとすぐに日本語の対訳が表示され、日本語の部分をタップすると英語が表示される機能も。この機能に対し、英語と日本語のバイリンガルであるSHELLYは「すごくよくできている」と評価した。

 さらに、パートナーも現在英語を勉強中であると明かし、「パソコンやAIを使って一生懸命勉強していたが、一回日本語に翻訳している時間がタイムロスになる。人と喋るときに理解している間に会話が進んでしまい、結局ついていけなくなる。英語を英語で理解することが一番早い」と、翻訳癖をなくすアプローチに強く共感した。

 また、Mazelingoが英語だけでなく18言語に対応していることを知ると、「えっ!? すごい!韓国語とか喋れるようになりたい。近いから一番使えそう」と意欲を示し、「日本語と英語だけでなく他の言語でもできるのは素晴らしい。海外の人が言葉を覚える時にも『Mazelingo』というワードのまま広がってほしい。混ぜ(Maze)という日本語が入っているのがいい」と大絶賛した。

 一方で、言語習得において「パソコンなどでインプットしていく作業は、自分に合ったものをやらないと飽きてしまう」と言及。また、現在のAI翻訳の精度について「非常に便利でなんとなくの内容を理解するのには素晴らしいが、まだ今一つな部分もある。人工的な言葉遣いになり、自分が実際に使う英語とは異なるニュアンスになることもある。逆に英語を日本語にした時に少し変な日本語になるような現象も起こっていると思う」と実用面での課題を挙げつつも、「言語を理解するという意味ではすごくいい」と自身の考えを述べた。

 今後、多くのユーザーが利用することでAIの学習が進み、性能や精度が向上していくことも期待される。

(『わたしとニュース』より)