夫婦で受け取る年金は月「19万円」の予定、貯蓄は「900万円」です。夫は「質素に暮らせば十分」と言いますが、老後資金として本当に足りるのでしょうか?

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「夫婦で年金が月19万円、貯蓄が900万円あれば、ぜいたくをしなければ老後も暮らしていけるだろう」と考える方もいるでしょう。   本記事では、夫婦2人の老後にかかる費用を基に年金19万円と貯蓄900万円で老後は乗り切れるのかを試算します。あわせて、想定しておいたほうがよい支出についても解説します。

夫婦2人の老後にかかるお金はどのくらい?

総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の支出は、次の通りでした。

・食料:7万8964円
・住居:1万7739円
・光熱・水道:2万3540円
・家具・家事用品:1万1237円
・被服および履物:5354円
・保健医療:1万7941円
・交通・通信:3万1325円
・教育:0円
・教養娯楽:2万6538円
・その他の消費支出(諸雑費、交際費など):5万1341円
・非消費支出(直接税、社会保険料):3万2850円

これらを合計すると、毎月の支出は29万6829円です。
夫婦の年金が月19万円の場合、平均的な支出と比較すると、毎月10万6829円の赤字となります。この不足分を貯蓄から補うと、900万円の貯蓄は約7年で底をつく計算です。
なお、同調査における世帯の実収入は月平均25万4395円であり、非消費支出3万2850円も同じ世帯区分の平均額です。そのため、年金が月19万円の世帯に同額の非消費支出が生じるとは限らず、上記の試算はあくまで目安となります。
また、消費支出も世帯ごとの生活スタイルによって異なります。自分たちの生活に置き換えて、老後に毎月いくら必要になるのかを確認しましょう。

老後にかかるお金として想定しておいたほうがよい支出

老後の資金計画を立てる際は、毎月の生活費だけでなく、突発的に発生する支出も考えておく必要があります。ここでは、老後にかかるお金として想定しておいたほうがよい支出を4つまとめました。
 

住宅の修繕・リフォーム費用

持ち家の場合、築年数が経過すれば住宅設備の交換や建物の修繕が必要になることがあります。
例えば、外壁や屋根、水回りの修繕、バリアフリー化などが挙げられます。工事の内容や住宅の状態によって必要な金額は異なりますが、数十万~数百万円単位の支出が発生するかもしれません。
そのため、持ち家だから住居費がほとんどかからないと考えず、将来の修繕費も確保しておくとよいでしょう。
 

医療

高齢になるにつれて病気やけがで医療機関を利用する機会が増え、まとまった費用が必要になることもあります。
入院することになった場合には治療費だけでなく、食事代や差額ベッド代、日用品代などが発生する場合があります。公的医療保険が適用されない費用については、基本的に自己負担となる点にも注意が必要です。
また、入院日数は年齢によって長くなる傾向があります。入院期間が長引けば、その分負担が増える可能性があるため、毎月の生活費とは別に医療費の予備資金を準備しておくと安心です。
 

介護費

老後は病気やけがだけでなく、身体機能の低下によって介護が必要になる可能性も考えておきましょう。
介護施設へ入居すれば、介護サービスの自己負担分に加えて居住費や食費、日常生活費などが必要です。在宅介護の場合でも、住宅の改修や介護用品の購入などで支出が発生する可能性があります。
介護が長期間に及ぶケースも考えられるため、生活費とは分けて介護に備える資金を確保しておくことが重要です。
 

葬儀やお墓の費用

老後資金を考える際は、自身や配偶者が亡くなった後に必要となる費用も考慮しておきましょう。
葬儀にかかる金額は、参列者の人数や葬儀の形式、地域などによって異なります。家族葬など規模を小さくすれば費用をおさえられる場合もありますが、まとまった資金が必要になるかもしれません。
また、お墓についても、新しく墓石を建てるのか、先祖代々のお墓を利用するのか、納骨堂や共同墓を選ぶのかによって必要な金額は異なります。
残された家族が費用や手続きで困らないように、希望する葬儀や供養の方法について早めに家族で話し合い、必要な資金を準備しておくとよいでしょう。

老後に年金月19万円で生活をすると貯蓄900万円は約7年で底をつく可能性がある

年金が月19万円、貯蓄が900万円あっても、平均的な高齢夫婦世帯と同程度の支出が続けば、貯蓄900万円は約7年で底をつく可能性があります。また、老後は日々の生活費だけでなく、住宅の修繕や医療、介護、葬儀などでまとまったお金が必要になるかもしれません。
まずは夫婦の年金見込み額と毎月の生活費を確認し、貯蓄をどのくらいのペースで取り崩すことになるのかを試算して、早めに老後の資金計画を立てておきましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2025年(令和7年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2025年-(19ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー