最大震度7から1ヵ月【フォトルポ】熊本地震…酷暑の被災地でいま起きていること
復旧は未定
「ここにはよく来るんですよ。昔から馴染み深い場所で。それがこんな風になっちまって……何度見ても悲しいですね」
熊本県内最多となる20人の犠牲者を出した八代市。市内にある八代宮に足を運んだ地元在住の男性は、見るも無惨な姿となった拝殿(1枚目写真)を前に肩を落とした。仮設の賽銭箱が置かれているが、神社本体の復旧は、全く目処が立っていないという--。
最大震度7を記録した熊本地震の発生から、8月28日で1ヵ月が経過した。連日最高気温が35度を超え、熱中症警戒アラートが発令される酷暑の被災地には、地震の爪痕が至るところに残っていた。
八代宮から徒歩5分ほどの距離にある市道『くまモンロード』を歩くと、近くのアーケード街には倒壊した建物が複数、そのままの状態で放置されていた(2枚目写真)。休日のお昼前だというのに、開いている店はまばらで客はほとんどいない。中止になった『八代くま川祭り』ののぼりが、撤去されることなく寂しくはためいていた。
家屋の被害は深刻だ。熊本県の発表によると、全壊した1695棟を含む3万9567棟に被害が出たという(8月26日現在。以下同)。しかし、地元の工務店や建設業者は、8月中旬まで九州自動車道が通行止めだった影響で資材の入荷に遅れが生じている。
さらに自社も被災し、資材倉庫の倒壊や重機の故障が相次いでいるため、休業を余儀なくされているところが少なくないようだ。八代市内で暮らす50代の会社員男性が嘆く。
「子供たちが暮らす家の屋根瓦が壊れたので、いつもお願いしている大工さんに連絡したら、電話が通じませんでした。雨漏りが怖いので、ブルーシートを持っていって屋根に貼る予定です」
ホームセンターは自宅を修理するための資材を買いに来た地元民で溢れていた。家族連れで来店した50代の父親が語る。
「業者に連絡しても一向に来てくれないから、自分たちでやるしかなくて……。木材とセメントを買いに来ました。本当は貯水用のポリタンクも買いたかったんですが、完売していました」
八代市内では鉄道も復旧の目処が立っていない。八代駅を訪れると、近くに緊急停止した電車が、1ヵ月前と同じ状態で放置されていた。さらに車の通行を妨げないようにするためか、市内の踏切の遮断機の多くが取り外されていた。
『FRIDAY』2026年9月11・18日合併号より
