阪神・森下翔太 単独キング返り咲き31号で高らか宣言「(佐藤輝に本塁打争いで)勝ちきります!」
◇セ・リーグ 阪神5―3DeNA(2026年8月23日 横浜)
阪神・森下翔太外野手(26)が、23日のDeNA戦(横浜)で、単独キング返り咲きとなる31号先制ソロと、決勝の2点適時打を放った。初回2死から左翼席への一発で機先を制し、3―3の9回2死二、三塁で抑えのレイノルズから殊勲の一撃。4安打3打点とまさにひとり舞台で、猛虎を2カード連続勝ち越しに導いた。広島に敗れた2位・巨人との差は3・5ゲームに拡大。早ければ25日、優勝マジック「26」が初点灯する。
猛虎の主砲が、まるで高校球児のように喜びを爆発させた。3―3で迎えた9回2死二、三塁。カウント2―2からの6球目、守護神・レイノルズの161キロ真ん中直球を右前へ運んだ。
「何としても絶対バットに、芯でしっかり当てたいと思っていた」
二走・中野も本塁へ生還。一塁ベースに到達した森下は、歓喜に沸く三塁ベンチへ向かって何度もほえた。近年のプロ野球界では他の追随を許さない、この勝負強さ。終盤にかけて劣勢の展開が続いたチームをバットで救った。
「(先発が高橋)遥人さんでしたし、今の投手陣もゼロで粘ってくれているので先に先にという感じ」
初回には鮮やかな放物線を描いた。初回2死無走者。1ボールから中大の1学年後輩でもある石田裕の低めシンカーをかち上げた瞬間にアーチを確信した。バットを放り投げ、叫んでからダイヤモンドを一周。左翼席上段に飛び込む128メートルの一発は2試合連続となる31号となった。21日の初戦でアベック本塁打を放ち、キング争いで並んでいた佐藤輝の一歩前に出た。
打撃の数字だけを見れば順風満帆のシーズンを送っているように見えるが、実は違う。野球界で古くから言われる「打撃は水もの」の格言を今年は身に染みて実感する。
「打撃練習でホームラン打つことは簡単。ゲームになった時に感覚が変わる。そことのギャップを自分の中でどうしようか、と」
練習でポンポンとスタンドに打球を放り込んでも状態が良いと思うことはない。プロ1年目の23年から試合が始まった途端に「打てないと思う事が山ほどあった」からだ。「早出の練習、試合前の打撃中、試合中の3段階も感覚が違う時もある。1打席、1球ごとに違う時もある。今もそう」。だから試行錯誤を惜しまず、打撃について考えることをやめない。たとえ、この夜のように2試合連続アーチを架けようが、決勝の2点適時打を放とうが次戦ではフォームを変える。この微調整が好結果につながる。
4安打3打点の活躍で2位・巨人に3・5ゲーム差をつけた。試合後のヒーローインタビューでは「(佐藤輝に本塁打争いで)勝つ気がないと打席に立たないので、勝ちきります!」と高らかに宣言した。この男の底は、まだ見えない。 (石崎 祥平)

