「初の北方領土訪問」の裏にプーチンの焦り 支持率は侵攻後最低水準…元駐ロ大使は「狙いが透けて見えます」
終戦記念日の2日前に択捉島へ
終戦記念日を2日後に控えた8月13日、ロシアのプーチン大統領(73)が初めて北方領土を訪問した。
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訪れたのは、北方四島の一つである択捉島。学校や病院を視察したプーチン大統領は、現地に暮らす島民と言葉を交わし、水産加工施設ではイクラに舌鼓を打つ姿も見せた。
なぜ、このタイミングで初めて北方領土に足を踏み入れたのか。「5年ぶりとなる下院選を9月に控えたロシア国内の事情がある」と指摘するのは、ロシアによるウクライナ侵攻時に駐ロシア特命全権大使を務め、『プーチンの歴史認識 隠された意図を読み解く』の著書がある上月(こうづき)豊久氏だ。

「領土問題では譲らないという強い姿勢を示し、ロシア国民に存在感をアピールしようとしたのだと思われます。それは当然、ウクライナ戦争でも引かないとの意思表示につながる。愛国的なムードを高め、来たる下院選を有利に乗り切ろうとする狙いが透けて見えます」
現在、プーチン大統領の支持率は60%台と、ウクライナ侵攻後で最低水準にある。北方領土訪問は、長引く戦争によって悪化する経済状況に不満を募らせる自国民を意識した側面もあるというわけだ。
高市首相は「断じて許容できない」
高市早苗首相は、今回の訪問について記者団に「断じて許容できない」などと語った。プーチン大統領の訪問が日露の中長期的な関係回復を困難にしたとの認識も示したが、上月氏は、この対応を次のように分析する。
「これはロシアの主張をいたずらに受け止めず、突き返したといえます。問題を大ゴトにして、関係改善を困難にしているのはあなたの方ですよ、という意味でしょう」
8月19日発売の「週刊新潮」では“狂気の皇帝”が胸に秘めた思惑とロシアの国内事情についてより詳しく報じている。
「週刊新潮」2026年8月27日号 掲載
