秋篠宮さま「思うところはある」ご発言を招いた政治家は「実に非礼」 お言葉ににじむ改正皇室典範への“アンチテーゼ”の姿勢
秋篠宮さまのお考えは「国民的関心事」
「私も生身の人間なんですよね。ですからいろいろと思うところはもちろんあります。なかったらおかしいと思います」
秋篠宮さまが異例ともいえる率直なお気持ちを明かされたのは、8月13日に赤坂東邸で臨まれた記者会見でのことだった。秋篠宮ご夫妻が18日からパラグアイへ公式訪問されるにあたり、出席した記者からは、抱負と共に、改正皇室典範への受け止めについて質問があった。
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「世論でも賛否が割れる中、秋篠宮さまがどのようにお考えになっているのかは国民的関心事。せっかくの貴重な機会でもあり、質問せざるを得ませんでした」(宮内庁担当記者)
事前に宮内庁側に提出されていた質問は三つ。そのうち〈改正皇室典範の成立で若い皇族方の人生に大きく影響を与えることが見込まれる〉〈佳子さまや悠仁さまにどのように歩んでいってほしいか〉といった2問目に秋篠宮さまは、
〈私自身もいろいろと考えるところはありましたし、先般、天皇陛下が話されたことももっともだと、その通りだと私は思っています〉

そうご回答になった。皇室典範改正を巡り、6月に天皇陛下が「国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります」と述べられたお考えを、秋篠宮さまも踏襲された形になる。
3度目となる「生身の人間」ご発言
そして質問もご回答もアドリブで行われる「関連質問」で、皇室の方々のご意向表明などのあり方について問われた秋篠宮さまは、「私も生身の人間」「思うところはもちろんあります」と、冒頭のご回答をされたのである。
秋篠宮さまが「生身の人間」というフレーズを使われたのは、一昨年、そして昨年のお誕生日に際しての会見に続き、3度目である。一昨年の会見では、女性皇族の結婚後の身分を巡り〈該当する皇族は生身の人間〉と答えられていた。
先ごろ公布された改正典範によって、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保ち、また旧宮家の男系男子が養子として皇室に入ることが可能となったが、宮内庁関係者はこのご回答について、
「政府による陛下や皇族方への事前のお伺いなど皆無。そのような経緯を踏まえ、秋篠宮さまは今回あらためて苦言を呈されたのです」
と解説する。
「改正へのアンチテーゼ」
もちろん、憲法上の制約もあり、こうした問題で皇室の方々のお気持ちを伺うことは難しい。とはいえ、象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院の河西秀哉教授は、高市政権の姿勢について、
「今回の秋篠宮さま、そして6月の陛下の会見と、お二方にそこまで言わせてしまった政府や政治家の姿勢は、皇室に対して実に非礼だと思います」
と指摘。また、典範改正の礎となった2021年の「有識者会議」でヒアリングに応じた慶應義塾大学の笠原英彦名誉教授(日本政治史)も、秋篠宮さまら当事者のご意向を宮内庁が内々に伺い、官邸へ伝えるべきだったとの見方を示した上で、
「秋篠宮さまは会見の終盤で、皇室の方々のお気持ちの発信の仕方について『世の中って進歩していくことが大事です』と述べられています。私はこれを、政府が進めた改正へのアンチテーゼだと受け取りました」
と、ご発言の意図を読み解く。
では典範改正を進めた政治家は今回の会見をどう受け止めたのか。“立法府の総意”の取りまとめを担った森英介衆院議長に尋ねるも、
「所感だとか意見だとか、そういうのは控えさせていただきます。“尋ねたけれど返事がなかった”としてもらって結構です」
と言うのみだった。8月19日発売の「週刊新潮」では秋篠宮さまのご発言の真意をより深くひもとくとともに、政府と皇室の間に生じつつある“溝”について詳しく報じている。
「週刊新潮」2026年8月27日号 掲載
