治安戦略アナリストの小比類巻文隆氏が自身のYouTubeチャンネルで「『報酬100倍』に元刑事は警戒!映画『ちいかわ』は“闇バイト”を学べる格好の防犯教材だった」を公開した。動画では、映画『ちいかわ』の冒頭シーンに登場する求人募集が、現実社会で横行する「闇バイト」の手口と酷似している点について、元刑事の視点から強く警鐘を鳴らしている。

小比類巻氏は、映画の冒頭でキャラクターの顔に落ちてきたチラシの内容に着目。そこには「簡単な討伐」「報酬は通常の100倍」「食べ物は無料で島限定のスイーツまで用意されている」という好条件が記載されていた。同氏はこれを元刑事の視点から分析し、「現実の求人に置き換えると、どうしても闇バイトの募集に見えて仕方ない」と指摘。警察庁が示す闇バイトの代表的な募集文句である「高額」「即日即金」「ホワイト案件」などと共通点が多いことを説明した。

さらに小比類巻氏は、詳細な仕事内容を伏せたまま「楽で簡単」「高収入」という印象だけを先行させる点や、現場が遠い離島に設定されている点についても言及。「生活圏から離れるほど違和感を覚えても簡単に帰れなくなる」とし、現実でもフィリピンやカンボジアなど海外へ連れ出されるケースが存在すると語った。また、応募時に運転免許証などの身分証や家族の情報を送らせる手口についても触れ、それらが脅迫の材料に使われるため、個人情報の提供を求められた段階で「応募する場面ではなくて、それはもう引き返す場面なんだよ」と防犯のポイントを解説した。

最後に小比類巻氏は、夏休みやお盆休みを利用して若者たちが安易な金儲けに走ることを危惧。「もし闇バイトに手を出してしまったんじゃないかと思ったら、保護する制度が始まっている」と語り、最寄りの警察署や警察相談専用ダイヤル「#9110」への速やかな相談を強く呼びかけた。映画『ちいかわ』のファンタジーな世界観の裏に潜む、現実社会の恐るべき罠を浮き彫りにする動画となっている。

チャンネル情報

元警視庁刑事・国際捜査官。1993~2023年警視庁。爆弾処理班配属後、警視庁中国語通訳を経て国際捜査官に。以降、国内外の銃器・薬物犯罪の情報収集、秘匿捜査に従事する。ほか殺人、強盗、誘拐事件などあらゆる捜査に参加。退官後、30年に及ぶ警察人生の知見を世の中へ貢献すべく治安戦略アナリストとして活動中。