温堡勤労者休養所の竣工式に参加し、女湯も視察した金正恩氏(2026年1月21日付朝鮮中央通信)

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朝鮮中央通信によれば、金正恩総書記は17日、5年ぶりに開かれた朝鮮社会主義女性同盟(女性同盟)第8回大会の参加者と記念写真を撮り、「活躍と戦闘力においてこの世に比肩できるもののない女性の威力ある愛国集団」と最大級の賛辞を送った。女性同盟は主に主婦が加盟する労働党の外郭団体であり、「わが党のこの上ない誇りであり、国家の大きな威力」とまで持ち上げた。

しかし、この言葉を額面通り受け取るのは難しい。金正恩氏は1月20日、咸鏡北道にある温堡(オンポ)勤労者休養所を視察した際、女性用浴場に土足のまま無遠慮に立ち入り、その様子を国営メディアが公開したことがある。女性への敬意を強調する指導者としては、違和感を覚えざるを得ない場面だった。(参考記事:「銭湯で男女入り乱れ」北朝鮮高校生らの禁断の行為

今回の大会で強調されたのは、思想教育の徹底と「子どもを多く産み、立派に育てること」である。家庭では家事と育児を担い、社会では組織活動に励み、さらに体制への忠誠心を広める役割まで期待される。称賛の言葉は華やかだが、その実態は「国家のためにもっと働き、もっと産み、もっと尽くせ」というメッセージに近い。

その構図は、同じ日に建設工兵部隊を激励したことにも表れている。女性には家庭と思想教育、兵士には建設現場。それぞれ役割は違っても、「国家のために尽くせ」という動員の論理は共通している。

北朝鮮では女性は「尊重される存在」というより、家庭も社会も支える万能戦力、いわば便利な労働力として位置付けられている。女性をたたえる演説は惜しまないが、その称賛は権利や尊厳を広げるためではなく、さらなる献身を求めるためのものだ。美辞麗句で女性を称賛しながら、その裏では献身を義務として押し付ける――そこには、女性を国家に奉仕する労働力として動員しようとする金正恩氏の本音と狙いが透けて見える。