神奈川県警本部(時事通信より)

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 女子中学生に対して"月経報告"や"自慰行為"を指示するという、信じがたいわいせつメッセージを送っていた男が逮捕された。しかもその男は当時、公立中学校の教師であり、被害生徒の部活顧問という立場だった──。【前後編の前編】

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 昨今、教師による生徒へのわいせつ事案が次々に発覚している。全国紙社会部記者が語る。

「教育現場における性加害は以前から問題視されてきましたが、近年はその手口に変化が見られます。たとえば2025年には、名古屋市の小学校教諭の逮捕を機に教員間の盗撮グループの存在が明るみに出るなど、悪質な事件が後を絶ちません。

 また、SNSやメッセージアプリの普及により、教員と生徒が学校外でも容易につながれる環境になったことで、被害に発展するケースも増えています。部活動の顧問や担任といった、生徒にとって心理的に逆らいづらい立場を悪用した事案が目立つのも特徴です」

「体調管理」を名目に192回ものメッセージ

 神奈川県警は6月25日、児童福祉法違反(有害支配)および公務員職権濫用の疑いで、名古屋市在住の元中学校教諭・山口守容疑者(52)を逮捕した。

 捜査関係者によると、山口容疑者は神奈川県の公立中学校に勤務していた2022年1月から2023年7月にかけて、自身が顧問を務めていた運動部の女子生徒に対し、ショートメッセージ機能を利用して繰り返し連絡。「体調管理」を名目に、生理の有無や時期を報告させるだけでなく、自慰行為を要求するなど、性的な内容を含む連絡を続けていた疑いが持たれている。

 警察によれば、こうした卑劣なメッセージの送信回数は実に192回に上るという。

「今回、容疑者に適用された児童福祉法違反(有害支配)は、単なるわいせつ行為そのものではなく、立場の優位性を利用して児童を心理的に支配し、不適切な行為を継続的に強いるケースを想定したものです。部活動の顧問という立場は、生徒にとって進路や評価にも影響を及ぼしかねず、拒絶することが難しい関係性だった可能性があります」(同前)

 山口容疑者は調べに対し、「正当な業務行為だと思っていた」などと話し、容疑を否認しているという。

「娘の心の傷が癒えない」保護者の悲痛な訴え

 神奈川県警によると、事件が明るみに出たのは今年4月24日。被害生徒の保護者が警察に相談したことがきっかけだった。

「娘が中学校に在籍していた当時、部活動顧問から性的な報告を求めるメッセージを送られていた。刑事罰を与えてほしい」

 保護者はそのように訴え、「娘の心の傷が癒えない」と話していたという。

 警察は、被害者保護の観点から、山口容疑者が担当していた運動部の種類や、被害生徒のクラスを受け持っていたかどうかなどについては明らかにしていない。また、教員歴や担当教科、学校内での評判などについても公表を控えている。

 一方、神奈川県教育委員会は取材に対し、山口容疑者について「2024年12月に懲戒免職処分となっている」と説明。理由含め、そのほかの詳細については回答を差し控えるとした。警察は、今回判明した被害以外にも同様の行為がなかったか、さらに調べを進めているという。
 生徒を守るべき教員による卑劣な不祥事は、この事件だけではない。続く後編では、男子児童へのわいせつ行為で逮捕された別の小学校教諭の事件を報じる。犯行に悪用された「学校貸与タブレット」の管理実態や教頭の苦悩とは──。

(後編につづく)