〈れいわ山本太郎氏が政界引退〉「不祥事じゃない」秘書給与疑惑への質問が相次ぎ、引退会見が″釈明の場″に…党名変更に身内も「本日知りました」
れいわ新選組の創設者で代表を務めた山本太郎氏(51)が9日、都内で会見し、代表辞任と、政治活動からの引退を表明した。スピード違反に加え健康問題を理由とした。山本氏は、「党は出直す」として執行部メンバーを刷新し、党名も変える方針を表明。
【画像】山本太郎氏が辞任表明も…7月10日時点で公式HPトップに並んでいた“山本執行部”の顔ぶれ
合わせて、今年1月の山本氏の休養から党の顔を務めてきた側近の共同代表・大石晃子前衆院議員(49)も離党すると発表した。政界に新風を巻き起こした山本氏の突然の引退発表の場だったが、最近の党を取り巻く疑惑と説明責任を問う質問が相次ぎ、“釈明会見”の様相を呈した。
スピード違反の謝罪会見が、突然の“引退表明”の場に
「生き急いでいるといえば山本太郎なんですけれども、スピード違反という法令違反までして生き急いではならないと。当たり前の話なんですけれども、大幅な速度超過を行なったことに関して私自身反省をしています」
9日夜、「スピード違反について」と題した会見で山本氏は、つかみを入れながら党に処分された自身の速度超過問題から話を始めた。
「山本氏は昨年10月9日、大分市内の東九州自動車道で制限速度を69キロ上回る速度でレンタカーを走行させたところを摘発され、道路交通法違反の罪で罰金9万円の略式命令と90日の運転免許停止処分になりました。この事実を党は今月3日、山本ジョージ幹事長による厳重注意処分が行われたことと合わせて発表しており、太郎氏本人は9日の会見で初めて謝罪しました」(政治部記者)
予想外だったのは山本氏が続けて、
「わたくし山本太郎はれいわ新選組の代表を辞任します。国会で活動する国政政党の代表、そして自分自身も国会議員を目指すという取り組みから山本太郎は引退します。その理由はですね、速度超過だけではございません。私自身の健康問題という部分もあります」と言い始めたことだ。
山本氏は衆院解散前の1月21日、“血液のがん”とされる多発性骨髄腫の“一歩手前”と診断されたことを発表し、参議院議員を辞職したが、今度は政界から身を引くという。
その理由に検査の数値が悪いことを挙げた山本氏は、健康を取り戻すことが「優先順位の第1位」だと説明。そのうえで、「山本太郎という過去の異物が横たわるということはあってはならない」と述べ、執行部を解散・解任し、7月31日に新代表選挙を行ない、党名も変更することを役員会で決めたと発表した。
2019年4月に当時参議院議員だった山本氏が立ち上げた党にとって、同氏の引退は党の性格が変わるほどの大事件だ。
さらに会見に同席した大石氏も、
「山本太郎が表の活動を休止しまして約半年間、私が党の表の顔として責任を取ってまいりましたが、結果として、そううまくまとめられませんでした。したがって、私は山本太郎体制の終了とともに党を離れて、それで終わりになります。そのあとのことは、疲れたので休みたいなと思っています」と言い出した。
大石氏を臨時党トップとして戦った2月の総選挙で、れいわは公示前の8議席が1議席になる大敗を喫し、大石氏では山本氏の“代わり”にならないことが浮き彫りになった。とはいえ、山本氏の政治的信条に心酔した最側近で、発信力も大きかった大石氏まで消えれば、党から山本色が薄まるのはさらに早くなるだろう。
秘書給与疑惑については、「不祥事じゃない」
だが、党の大激動を予告した会見で記者らの質問は、これまで報じられてきた疑惑と、山本氏・大石氏の対応を問うものに集中した。
「執行部に不満を持ち、2月の総選挙で落選した元衆院議員が、党職員を所属国会議員の公設秘書として登録させ、国から支払われる秘書給与を党が受け取ってきたと週刊誌で主張しました。組織的な詐取ではないのかとの声があり、捜査当局の内偵も噂されています。
しかし休養中の山本氏だけでなく大石氏も会見に出て説明をせず、高井崇志副幹事長が、公設秘書は議員会館にいなくとも議員活動に必要な仕事をしており、詐欺ではないとの否定を続けてきました」(社会部記者)
疑惑が報じられて以降、山本氏と大石氏がそろって公の場に出た今回の会見では、2人目の質問者が、「疑惑が事件化される前に今回リセットするのではないのか」と質問をしたことを皮切りに、両氏に説明を求める声が相次いだ。
山本氏は、「自分の引退は指摘されている問題とは関係ない」と強調しながら、
「私たちは秘書給与の詐取というものに当たらないってことはこれまで再三、副幹事長の会見で申し上げている通りです。これは適法性を確認しながら私たちは進めてきた。(中略)党の会見の担当をしているのは高井副幹事長で、高井副幹事長が党の見解をしっかりと述べるということ、それだけのことです」と説明。
さらに「(言われていることは)不祥事じゃないですよ。だって私たちは適法にそれをやってきたっていう考えがあるんだから。(中略)どうして不祥事を起こしていないのにトップが出てきて説明するんですか」とも述べた。
適法との「考え」が当事者にあれば不祥事ではなく、トップが説明する必要もない、という論理だ。
山本太郎氏なきれいわはどこへ向かうのか
続けて大石氏は、「国会で大事な法案の審議、悪法などが進められている」中で疑惑だとするものにクローズアップされた質問が続いたので、「党として誰かが代表して責任者が説明すればもう足りてしまう」と考えたと主張。
国会の法案審議と党トップが説明責任を果たすことに何の関係があるのか不明だが、その後に大石氏は、
「捜査が始まっているという話もあるという段階になってしまうと、(中略)何を聞かれても、淡々と『捜査が始まっているという話もありますので、これ以上のお答えはいたしません、引き続き適切に対応いたします』という答えになるんですよ。誰が言っても同じなんですっていう状況に、捜査に関してはなってしまうんです」と述べ、「当局が捜査しているとの情報が出れば説明はできなくなる」とも言い出した。
山本氏は、
「この数カ月間なんですけれども、山本太郎が代表でなくなった場合に、党内が滞りなく回るような仕組みづくりであったりとかっていうことをやってきました」と話し、今回の“大変動”に向けた準備はしてきたと説明した。
だが、仲間からは、
〈私も本日この件(山本氏の辞任や党名変更)を知りました〉(八幡愛前衆院議員の9日夜のSNS投稿)
と“初耳”だとする投稿が相次ぐなど動揺が広がっている。
疑惑を指摘される「山本商店」での店主の突然すぎる隠居宣言。党はこの先どこへ向かうのか――。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

