型破りなコンセプトカーにアルファ・ロメオの名車も 巨匠ジョルジェット・ジウジアーロの傑作 50選(後編)
フィアット・クロマ(1985年)
今ではほとんど忘れ去られているフィアット・クロマだが、前述したティーポ4車の一角である。
【画像】ジウジアーロが手掛けた個性的なイタリアンサルーン【マセラティ3200 GTとアルファ・ロメオ159を詳しく見る】 全23枚
フィアットとして初めて横置きエンジン・前輪駆動を採用した大型車であるクロマは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンを設定。ガソリンエンジンにはV6やターボチャージャー付き4気筒があり、最大出力は160psに達する。

フィアット・クロマ(1985年)
ルノー19(1988年)
懐かしいクルマだが、今ではほぼ完全に姿を消してしまっている。ルノー9と11の後継として登場した19は、ハッチバックやコンバーチブルのボディタイプが用意され、セダン版はシャマードという名で展開された。
特にシャマードは現在極めて希少で、英国の公道で走行しているものは20台にも満たない。全タイプのルノー19を合わせても、現役で走っているのは300台未満だ。

ルノー19(1988年)
イタルデザイン・アズテック(1988年)
かなり型破りなコンセプトカーのアズテックは、限定生産されたものの、その台数はごくわずかだった。雨風から乗員を守るものがなく、運転席と助手席が分離され、アウディ製のターボチャージャー付き5気筒エンジンを搭載している。奇妙なことに、四輪駆動のトランスミッションはランチア・インテグラーレから流用されたものだ。

イタルデザイン・アズテック(1988年)
セアト・トレド(1991年)
1990年代初頭の多くのファミリーカーと同様、セアト・トレドは自動車デザインにおいて特に傑出した存在ではなかったが、悪くないクルマだった。
初代トレドは1990年代を通じて販売された。2代目ゴルフをベースとしているため、1.6L、1.8L、2.0Lのガソリンエンジン、あるいは1.9Lのディーゼルエンジンから選択可能だった。

セアト・トレド(1991年)
レクサスGS(1993年)
レクサスが既存の高級車ブランドに対抗するセダンを考案した際、ジウジアーロ氏はシンプルなデザインこそが鍵だと考えた。初代レクサスGSは、日本市場ではトヨタ・アリストとして販売され、6気筒または8気筒のエンジンと、4速または5速のオートマティック・トランスミッションが用意されていた。

レクサスGS(1993年)
セアト・コルドバ(1993年)
コルドバは英国では大きな成功を収めたわけではないが、小型セダンの人気が高い欧州諸国では比較的よく売れた。フォルクスワーゲン・ポロやセアト・イビサと同じプラットフォームを採用しており、クーペ、セダン、ステーションワゴンのボディタイプから選ぶことができた。

セアト・コルドバ(1993年)
ランボルギーニ・カラ(1995年)
1970年代から1980年代にかけて、ランボルギーニはV8エンジンを搭載したジュニアスーパーカー、ウラッコ、シルエット、ジャルパを展開していた。
1990年代には完全にV12エンジン一色となったが、1995年にコンセプトカーとして発表されたカラはV10エンジンを搭載していた。もし実現していたら、同社の歴史は変わったかもしれない。しかし、開発資金が確保できず、プロジェクトは棚上げとなった。

ランボルギーニ・カラ(1995年)
フォルクスワーゲンW12(1997年)
一時期、フォルクスワーゲンはこのW12エンジンを搭載したミドシップスーパーカーの市販導入を真剣に検討していたが、ヴェイロンやランボルギーニ、さらにアウディR8の開発が優先されたため、実現には至らなかった。
最初に登場したのは420psのクーペで、続いてロードスター版が公開された。そして2001年、最も過激なナルド・エディションが登場した。最高出力600ps、平均時速200.6マイル(約322.8km/h)で24時間に4809.8マイル(約7740km)を走行するなど、数々の速度記録を樹立した。

フォルクスワーゲンW12(1997年)
大宇マティス(1997年)
大宇マティスは当初、フィアット・チンクエチェントをベースにしたデザインスタディ、ルッチオラとして初公開された。決して刺激的とは言えないクルマだが、無駄のないミニマルな移動手段として設計された、洗練されたスタイルの小型車だ。
エンジンは0.8Lから1.2Lまであり、シボレー、ポンティアック、FSOなど、多様なブランド名で展開された。

大宇マティス(1997年)
セアト・レオン(1998年)
発表から30年近く経った現在でも、初代セアト・レオンはモダンで魅力的に映る。初代レオンは、フォルクスワーゲンの4代目ゴルフ、ニュー・ビートル、アウディA3、初代TT、初代スコダ・オクタビアと同じPQ34プラットフォームを採用している。ボディタイプは5ドア・ハッチバックのみ。

セアト・レオン(1998年)
マセラティ3200 GT(1998年)
ブーメラン型のLEDリアライトで有名な3200 GTは、マセラティブランドへのジウジアーロデザインの待望の復活を告げるモデルだった。
長年の不振を経て、マセラティは業績を立て直すために3200 GTの成功を不可欠としていた。そして、それなりの商業的成功を収め、4年間に約5000台が生産された。全車、ツインターボ付き3.2L V8エンジンを搭載している。

マセラティ3200 GT(1998年)
アレッサンドロ・ボルタ(2004年)
コンセプトカーとしてトヨタが発表したアレッサンドロ・ボルタは、電池(ボルタ電池)を発明した同名のイタリアの物理学者にちなんで名付けられた。このネーミングは、レクサスRX400hから流用したハイブリッドパワートレインを示すもので、3.3L V6エンジンと2基の電気モーターを組み合わせ、402psを発揮する。
ドライブバイワイヤ方式やカーボンファイバー製ボディを採用し、最高速度約250km/hに達し、0-100km/h加速はわずか4秒とされた。

アレッサンドロ・ボルタ(2004年)
アルファ・ロメオ159(2004年)
ジウジアーロ氏はアルファ・ロメオのデザイン部門チェントロ・スティーレと協力し、159という傑作を生み出した。同時代の他のクルマよりもはるかにシャープな外観を誇る、まさに名車と言えるだろう。
ボディタイプはセダンとステーションワゴンの2種類で、最上位モデルには3.2L V6エンジンが搭載されているが、残念ながら高性能バージョンの159 GTAは登場しなかった。

アルファ・ロメオ159(2004年)
フェラーリGG50(2005年)
この名称に大きなヒントがある。GG50は、ジョルジェット・ジウジアーロ(Giorgetto Giugiaro)氏の自動車デザイン50周年を記念して製作されたものだ。フェラーリ612スカリエッティをベースとし、2005年の東京モーターショーで初公開された。540psの5748cc V12エンジンを搭載し、ハッチバックボディに2+2のシート配置を採用している。

フェラーリGG50(2005年)
フィアット・グランデ・プント(2005年)
小型車がどれも画一的に見えた時代に、フィアットはまるでミニチュア版のマセラティのような、見事なスタイリングのモデルを世に送り出した。グランデ・プントだ。
2009年のマイナーチェンジの際、プント・エボへと改名した。その後、インドも含めて2018年まで生産された。

フィアット・グランデ・プント(2005年)
BMW M1オマージュ・コンセプト(2008年)
BMWは1972年にミドシップ+ガルウィングの「ターボ」というコンセプトカーを発表した。その6年後、M1がデビュー。デザインはほぼ同じだが、市販バージョンでは自然吸気エンジンを搭載している。
M1の登場から30年後、BMWは同社初のミドシップ量産車へのオマージュとして、このM1オマージュを発表した。ただし、一種の記念碑的なコンセプトカーであり、走行可能なモデルではなかった。

BMW M1オマージュ・コンセプト(2008年)
テックルールズ・レン(2018年)
2018年、ジウジアーロ氏は最新作テックルールズ・レンを発表した。中国のテックルーズ(Techrules)が開発したハイパーカーで、驚くことにタービンエンジンを搭載している。2基、4基、あるいは6基の電気モーターとリチウムイオンバッテリーと組み合わせることで、合計1305psと最大トルク238kg-mを発揮し、最高速度320km/h、0-100km/h加速2.5秒を謳っている。

テックルールズ・レン(2018年)
