ウェストハムのアラン・カービッシュリー監督は、降格争いのライバルであるマンチェスター・シティとの試合で、主力を温存した結果、敗戦を喫したミドルスブラを激しく批判した。

 FAカップ準々決勝再試合のマンチェスター・ユナイテッド戦を19日に控えていたミドルスブラは、17日のマンチェスター・シティ戦でFWマーク・ヴィドゥカとDFジョナサン・ウッドゲイトを温存した。その結果、降格争いを繰り広げるマンチェスター・シティが2−0で勝利を収め、貴重な勝点3を獲得。勝点を33に伸ばし、順位を15位にまで上げた。

 このミドルスブラの主力温存行為については、シェフィールド・ユナイテッドのニール・ワーノック監督など、下位チームの監督が一斉に不快感を表明。現在19位と、熾烈な降格争いに身を置くウェストハムのカービッシュリー監督も、順位に影響を与えたミドルスブラの行為に不満を隠そうとしない。

「下位に身を置くチームとして、ミドルスブラの行為は非常に不愉快だ。チャールトンで監督をしていた当時、この時期には降格争いから抜け出していたものだが、主力を温存して戦うようなことは一切しなかった。特に降格争いに絡むチームとの対戦では、常にベストメンバーで臨むようにしていた。不公平だと批判を受けないためにね。降格を争うチームにとっては、ライバルチームの結果を気にしながら戦わざるを得ない。ヴィドゥカやウッドゲイトが出場していたら、結果が違っていたのではないかと考えてしまうのは当然だ。しかも、今回批判を受けた以上、ミドルスブラが我々と対戦する際には、ベストメンバーで臨んでくるのは間違いない…」

 優勝争いがマンチェスター・ユナイテッドとチェルシーの2チームに絞られた感のあるプレミアリーグも、降格争いは未だ僅差の戦いが続いている。残り10試合を切った過酷なサバイバルレース。1点でも多く勝点を稼ぎたい下位チームの監督にとっては、ライバルチームが受けた恩恵が何よりも許せないといったところだろう。