皇帝というより“スキャンダル王”のイメージが定着しつつあるアドリアーノだが…<br>【Photo/B.O.S.】

写真拡大

 移籍の噂が絶えないインテルのブラジル人FWアドリアーノ(25)が来季もインテルに残留することが27日、明らかとなった。アドリアーノの代理人ジウマール・リナウディが27日、大手放送グループ“Mediaset”のマイクに向かい「アドリアーノがフィオレンティーナに移籍するなんてあり得ない。100%、インテルの選手だ」と声高に宣言した。

 今季序盤から燻り続けた“アドリアーノ移籍報道”が2月22日、瞬く間に燃え上がった。2−2ドローに終わった欧州CL決勝トーナメント1回戦(第1レグ)対バレンシア戦の翌日だった。直前の17日の誕生日パーティを無難に終えたアドリアーノは翌18日、ミラノ市内のディスコをはしごして朝帰り。モラッティ会長、そしてマンチーニ監督の逆鱗に触れた“皇帝”はホームで迎える重要な一戦を、最後までベンチから見守った。ホームで失点を許す2−2ドローが響き、敵地での第2レグ(3月6日)を0−0大乱闘ドローで終えたインテルは欧州CLから脱落、優勝候補筆頭が欧州最高の舞台から姿を消した。

 自宅パーティ現場の写真流出、バスケット選手との騒動がスッパ抜かれるなど、今季のアドリアーノは皇帝というよりスキャンダル王の風格が漂う。現地メディアはトラブルの度に“アドリアーノ移籍”を報じ、最近ではパルマ時代の恩師プランデッリ率いるフィオレンティーナなど具体的な移籍先も挙がっていた。一向に鎮火しない移籍報道に、リナウディ代理人が立ち上がった。「アドリアーノは100%、インテルの選手。2週間前にインテル幹部と話し合いの場を持ったが、全てが明白だ。アドリアーノのような選手の将来は、ディスコ事件に左右されるようなものではない」(リナウディ代理人)。

 インテル優勝でほぼ間違いない今季のセリエA。サポーターの関心は欧州CL出場権争いと過酷なA残留争い、そして夏の移籍市場へと向いている。24勝4分と無敗街道をひた走るインテルの唯一のアキレス腱“アドリアーノ・スキャンダル”が招いた移籍報道を、代理人がこの日、身を挺して消火した。

佐藤 貴洋