26日の英国各紙は、ユーロ2008予選のイスラエル戦(24日)を0−0で引き分けたイングランド代表のスティーブ・マクラーレン監督が試合後、FWウェイン・ルーニーと激しい衝突を繰り広げたと報じた。

 グループEのイングランドは、クロアチアとロシアに次ぐ3位と、予選突破の危機に瀕する状況で、イスラエルとの一戦に臨んだ。しかし、試合は痛恨のスコアレスドロー。チャンスを作りながら得点を奪えず、予選3試合連続ノーゴールと大ブレーキとなった攻撃陣に苛立ちを募らせた指揮官は、試合後のドレッシングルームで怒りを爆発させた。しかし、DFジョン・テリーなど複数の選手が証言したこの“お説教”に対し、ルーニーが過剰に反応。指揮官の怒りを自身に対する個人攻撃と捉えた若きエースは、壁にスパイクを投げつけ、部屋を後にしたというのだ。

 しかし、この報道を耳にしたマクラーレンは、事実無根としてマスコミに対する不快感を示している。

「完全なるでっち上げだ。私は新聞を何紙も読む人間ではないが、聞いた限りでは、確実に嘘の報道が幾つかある。事態を煽ろうとするマスコミには怒りすら感じる。チームの結束力は、これまでにないほど素晴らしいと断言する。それに、ドレッシングルームで起きたことを公表するつもりはないし、する理由もない。しかし、私がウェインと衝突したなど、馬鹿げていて話にならない。我々は全員プロだ。お互いを尊重している。それは私とウェインの間でも変わらない」

 ユーロ本大会出場に後がないイングランドは、イスラエル戦の引き分けで、首位クロアチア、そして2位ロシアとの勝点差がさらに広がる苦しい展開に追い込まれている。28日のアンドラ戦の結果次第では、解任の可能性が現実味を帯びる指揮官。そして、代表で結果の出ないエースストライカー。2人の確執報道は、不調にあえぐサッカーの母国を象徴しているかのうようだ。