パレルモのマウリツィオ・ザンパリーニ会長がクラブを売却し、カルチョ界から身を引く決意を表明した。歯に衣着せぬ発言でカルチョ界を騒がせ続ける名物会長は21日付のガゼッタ・デッロ・スポルト紙のインタビューの中で「アブラモビッチを見つけ次第、クラブを売却する」と宣言した。

アマウリ、ブレシャーノ、ディアナ、シンプリシオ・・・。開幕前に4000万ユーロ(約60億円)を投じた堅実補強が実を結び、今季のセリエA前半戦を盛り上げたパレルモも、ここにきて息切れ。特に年末に負傷したFWアマウリの離脱は大きく、前半戦に脅威を与えた破壊力は見る影もない。13勝8敗8分の勝ち点「47」。シチリア島クラブの夢“欧州CL出場”権獲得圏内の4位に踏み止まっているパレルモだが、マイナススタートを切ったACミランの猛追に怯えている。

強気な姿勢で改革を訴え続けたザンパリーニ会長だったが崩壊寸前のチーム、一向に変わらない世界を前に「カルチョ界から身を引きたい。パレルモサポーターを失望させたくはないのでクラブの質の向上に努めるが、アブラモビッチを見つけ次第、クラブを売却する」とカルチョ界からの完全撤退を表明した。突然のチェルシー買収劇を演じたロシアの大富豪アブラモビッチを例に出し、売却先探しに乗り出したザンパリーニ会長。“第2のアブラモビッチ”の出現と引き換えに名物会長がカルチョ界から足を洗う。

佐藤 貴洋