W杯ドイツ大会後フランス代表の主将を務めるビエラがケガで24日のリトアニア戦を欠場、代わりにキャプテンの腕章をつけるのは、代表の最多キャップ記録を更新中のリリアン・テュラムと見られている。

 この試合はビエラに次ぐリーダー格のアンリも欠場。唯一のW杯優勝メンバーとなるテュラムが主将を務めるのがもっとも自然だ。ただし20日の時点でドメネク監督は「まだ決めていない」と回答している。

 テュラム自身は20日付レキップ紙のロング・インタビューで、「わからない。私になる可能性が高い」と他人事のように答えている。セリエAのパルマで長く主将を務め、ユベントスでもデルピエロが欠場のときにはキャプテンマークを付けたテュラム。フランス代表での主将経験は2試合あるが、「交通整理に立たされた警察官みたい」と居心地の悪さを感じたという。「ピッチの上での責任はどの選手も同じ」という考えで、「腕章」に思い入れはない。

 一時は代表続行の気持ちが揺らぎ、いまも「実力が落ちて、若手に抜かれたら辞める」と執着がないことには変わらないテュラムだが、ケガ人の多い状態で臨むリトアニア戦は「我々にとって非常に重要な一戦」と考えている。「もちろん、できるだけ長く代表を続けたい」とトーンも変わってきた。ここ数週間、バルセロナでの先発が増えてきたせいかも知れない。

 バルセロナでの状況は「レギュラーとはいえない」と冷静に語るテュラムだが、「首脳陣からお払い箱にされない限り」2年間の契約を最後まで全うする意思を明らかにしている。「これほど出番が少ないとは想像していなかった」が、前年チャンピオンズリーグを制し、リーグ2連覇中のチームの起用法としては「当然」と理解を示す。自分の立場は「チャンスをもらったらそれを活かさなければいけない若手と同様」と謙虚に認識している。

 代表での自分の後継者に誰を望むか、という質問には、エスキュデ、スキラッチ、ブームソンの名前を挙げたうえで、「もっとも才能があるのはメクセス」と答えた。若くして代表デビューを果たし、その後開花しない選手が多いことを指摘しつつ、「メクセスがフランス代表の重要な選手になりたいと臨むなら、そうなるだろう。偉大なキャリアを築いていってほしい」と126試合の代表経験をもつ大ベテランがエールを送った。