クラブ首脳陣との不仲説が伝えられるチェルシーのジョゼ・モウリーニョ監督は、ロシア人オーナーのロマン・アブラモビッチとの関係が、一時“緊張状態”に達したことを認めた。

 ポルトガル誌のインタビューに答えたモウリーニョは、1月の移籍マーケットにおける、補強戦略の相違がすべての原因だと語る。

「当時、チームは限界を迎えていた。ケガ人が続出して、チームのやり繰りはかなり厳しい状態だった。我々は明らかに問題を抱えていたし、オーナーの資産を考えれば、問題解決に協力してもらえるものと思うのが当然だ。しかし、新戦力の獲得は最後まで認められなかった。昨年12月の末から1月の終わりまでの期間は、確かに緊張状態に達していた。しかし、私はクラブのオーナーに意見できるような立場にはない。アブラモビッチこそ、チェルシーの全権を握っているのだから」

 さらにモウリーニョは、アカデミー部門のディレクターを務めるフランク・アーネセンとの関係のついてもコメント。“犬猿の仲”とも伝えられる2人だが、監督として意見の相違はあっても、不仲ではないと闘将は語る。

「我々の間に意見の相違はある。しかし、お互い自分の仕事をしているまでだ。アーネセンは“イエスマン”ではない。彼にも考えがあるし、あとはその意見に同意できるか否かだけだ。個人的にはいい関係にあると思っている。それに、監督として、彼の築き上げた体制を使わない手はない。欧州だけでも50人程度のスカウトを配置しているんだ。そんなネットワークを無視するほど、私はバカではないよ」

 FWアンドリー・シェフチェンコの獲得など、クラブ主導の戦力補強が進められたことに不満を抱きながらシーズン開幕を迎えたと言われるモウリーニョ。さらに、シーズン半ばからは、自らの去就問題が大きく取り上げられるなど、激動のシーズンを過ごしている。いまだ前人未到の4冠達成に望みを残す闘将の去就は、獲得したタイトルの数に大きく左右される可能性が高そうだ。