佐々木朗希 ファンへ惜別メッセージ「アメリカでも頑張ります」最後に場内一周してファンに別れ
ポスティングシステムを利用してメジャー移籍を目指すロッテ・佐々木朗希投手(23)が17日、本拠ZOZOマリンで行われた「MARINES FAN FEST 2024」に参加した。
公の場で言葉を発するのはCSファーストステージ初戦の10月12日以来36日ぶりで、正式にメジャー挑戦することが決定してからは初めて。佐々木は壇上に上がると、多くのファンから拍手で迎えられた。佐々木は「チーム・ブラック」の一員として黒のパーカーに身を包み、壇上では他のナインとともに笑顔を浮かべた。
吉井監督が冒頭にあいさつ。「昨年より順位を落として3着…。3位になってしまいました。CSも突破できそうだったんですが、おっちょこちょいの監督の采配ミスで落としてしまいました。すみませんでした」と謝罪。「選手たちはものすごい頑張ってくれました。来季もほぼ、このメンバーで優勝を目指して頑張っていきますので、引き続き応援よろしくお願いします」と笑顔で呼びかけた。
あいさつが終わるかと思われた時、「すみません、大事なことを忘れていました」と続け「来シーズンからマリーンズを飛び出して、高みに挑戦する選手が1人います。そうです。朗希です」と紹介。「5年間マリーンズに所属して、いいピッチャーに育ってくれました。そしてマリーンズにも凄く貢献してくれました。これからは違うチームになってしまいます。だけど、挑戦する若い選手を応援したいと思います。心から温かく送り出したいと思っています」と言葉を紡ぎ、その後にマイクを佐々木に譲った。
その後マイクのバトンを受けた佐々木は「今回球団に後押ししていただき、メジャーに挑戦させていただくことになりました。ファンの皆さん、5年間熱いご声援ありがとうございました。ケガなどでなかなかうまくいかず、辛いときもあったんですけど、吉井監督、コーチ、チームメート、スタッフ、たくさんの方々に支えられ、乗り越え頑張ることができました。今回これまでいただいたご声援、厳しい激励も全て力に変え、アメリカで頑張ってきます。本当にありがとうございました」とあいさつした。終始神妙な面持ちで、時折言葉に詰まる場面もあった。
吉井監督は佐々木のファンに向けたあいさつを穏やかな笑顔で見守ると、最後に「朗希がいなくなっても、マリーンズを応援してください!」とちゃめっ気たっぷりに呼びかけ。チームを愛する熱いファンから、大きな拍手を受け、笑顔だった。
イベントの最後には「チーム・ブラック」と「チーム・ホワイト」が野球対決。佐々木は「チーム・ブラック」の「1番・DH」で先発出場した。佐々木は試合前の円陣の声出しを担当。「今日は僕がマリーンズのユニホームを着てプレーする最後の試合になると思うので、しっかり勝って送り出してほしいなと思います」と話した。また、佐々木からマイクを譲り受けた和田は「今日は皆さん、慣れないポジションではありますが、慣れないポジションでも、朗希が海を渡っても心と心は一つです」と声出しした。
佐々木は「チーム・ホワイト」の先発投手を努めた上田と対戦。佐々木は初球の外角直球を見事に流し打ち、右前打を放った。イベントのMCを努めたお笑いコンビ「ぺこぱ」のシュウペイから試合中にインタビューを受け、安打の感想を問われると「最高です。めちゃくちゃ速かったので、手が痛いです」と笑顔で振り返った。
最終回の2―2の3回2死一塁の場面では代打として再び登場。打ったら三塁に走る逆回りルールが適用され、一塁には生還すれば3点が入る「スーパー代走」としてシュウペイが起用。さらに野手が2人減る「強制7人シフト」と「チーム・ブラック」が切り札の特別ルールのオンパレードでたたみかけに入った。ここで佐々木は投手の田村から右中間フェンスにワンバウンドで突き刺す3点打を放ち、場内を盛り上げた。しかし、裏の攻撃で味方が追いつかれ、試合は5―5の引き分けに終わった。
閉会セレモニーではMVPを獲得。日本航空から国内線ペア航空券をゲットした。佐々木は「今日1日お疲れさまでした。とてもいい思い出ができました。ありがとうございました」とあいさつ。引き揚げる際は「朗希、頑張れ〜!」とのファンの声も飛んだ。
閉会セレモニー後は場内を一周。「とても楽しかったです」と振り返った佐々木は、ファンへのメッセージを求められると「いつも熱いご声援ありがとうございます。アメリカでも頑張ります」と意気込みを語り、ファンに別れを告げた。