能登半島地震の広域避難者向けに「孤独・孤立対策事業」を本格化

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クロスフィールズは、孤独・孤立対策に向けた取り組みに本格的に乗り出し、石川県における広域避難者向けの事業を開始した。

今年度は「内閣府 令和6年度 地域における孤独・孤立対策に関するNPO等の取組モデル調査」等への採択を受け、能登半島地震の影響で金沢市内に広域避難している被災者の人々向けの活動を行う。

孤独・孤立の予防を目指して活動するクロスフィールズ


クロスフィールズは「課題の現場に資源をおくり、ともに解決策をつくる」というミッションのもと、Co-Create領域では同団体が培ってきた企業・NPOとのネットワークやセクターを超えた共創関係を築く力を活かした社会課題解決のあり方を模索してきた。

2022年からは「孤独・孤立の予防」を注力領域として定め、様々なパートナーとの協働を通じた実践・探索・調査の活動を行っている。

今年1月に発生した能登半島地震においては、3月に金沢市内で活動を行うこども食堂と連携し、二次避難者の孤独・孤立の予防に向けた取り組みを実施している。

地域の交流拠点・居場所であるこども食堂と連携し、金沢市近郊に避難をしているこどもや高齢者を含む二次避難者家族の不安軽減を目指して取り組みを実施。対象者をこども食堂につなぎ、食事の提供、運営者や地域住民とのつながり創出や心のケア、地域情報などの提供を行った。

今回取り組む事業では、特に孤独・孤立のリスクが深刻な高齢の広域避難者向けのつながりづくりとコミュニティ形成を目的とした活動を金沢市内において展開する。

社会的処方とリンクワーカ―で人々に交流の機会を提供


内閣府から採択された事業「地域の居場所と連携した地域主体の社会的処方のモデルづくり」の概要は、次の通りだ。

同事業は、地域におけるつながりの希薄化とそれに起因する孤独・孤立の予防に向け、地域住民のつながりを創出し共助の仕組みを活性化させるための新たな取組を生み出すことを目的としている。

クロスフィールズは、能登半島地震により被災した高齢の広域避難者を対象に、「社会的処方(※1)」のアプローチを用い、広域避難者が集い交流する機会を提供。

それとともに、社会的処方の肝となる市民リンクワーカー(※2)の発掘・育成・実装を通じて交流型イベント参加者と地域住民や地域資源とのゆるやかなつながりを形成することで、参加者同士のコミュニティ形成や地域参加に接続する取り組みを行う。

今年9月には市民リンクワーカーの募集・育成を行い、10月より市民リンクワーカーと連携のうえ、地域の社会資源の開拓や園芸・スポーツ・食などをテーマに、広域避難者が集い・笑い・語り合う交流型イベントを開催した。

取り組みの第一弾として落語等をテーマにした会が開催


事業の一環で開催されたイベントの第一弾は、10月上旬に落語等をテーマに開催され、計50名の広域避難者が参加した。

落語の会では、参加者から「震災以来笑うことがなかったが、今日は久々に笑うことができた」「人が集まる場は苦手だが、この時間は楽しかった」などの声が聞かれた。

今後もクロスフィールズのCo-Create領域では、「誰もがつながりを実感し、安心して生き生きと暮らせていると思える社会」の実現を目指し、NPO・企業・行政のクロスセクター連携を生み出すことで孤独・孤立対策に取り組んでいく。

また、現在クロスフィールズのCo-Create領域において、クロスセクターでの孤独・孤立対策に取り組みたいプロジェクトマネージャーの採用も行っている。詳細は採用ページから。

クロスフィールズが孤独・孤立対策の取り組みに興味がある人は、公式サイトをチェックしよう。

クロスフィールズのCo-Create領域や孤独・孤立対策事業に関する詳細:https://crossfields.jp/service/co-create

クロスフィールズ採用ページ:https://crossfields.jp/aboutus/recruit

(※1)社会的処方:孤独・孤立の状態に陥っている、あるいはその可能性がある人に対して地域活動などの社会参加の機会を処方し、その人が置かれている状況の改善や、孤独・孤立に陥ることを防ぐ取り組み。英国では2016年から全国的なネットワークが構築され、すでに様々な実践が成果を上げている。

(※2)リンクワーカー:人や地域、社会資源へのつながりをつくる役割をもった人。イギリスでは社会的処方が必要だと医師が診断した場合、医師がリンクワーカーに連携し、リンクワーカーが対象者を地域や社会資源につなげている。近年では、医療者が中心となって社会的処方を行っていく流れから、リンクワーカー的に活動する市民・地域住民が主体となって社会的処方を実践する流れも生まれている。

(佐藤 ひより)