大接戦のアメリカ大統領選挙、開票進む…ハリス氏「最高の活動」・トランプ氏「自信ある」
【ワシントン=田島大志】米大統領選は5日、全米各地で投開票が行われた。
女性、アジア系として初の大統領を目指す民主党候補のカマラ・ハリス副大統領(60)、返り咲きを狙う共和党候補のドナルド・トランプ前大統領(78)が激しく競り合っている。結果が判明するのは、6日未明(日本時間6日午後)以降となる見通しだ。
大統領選は、全米50州と首都ワシントンに割り当てられた選挙人538人を争う仕組みで、当選には過半数の270人を獲得する必要がある。
米CNNによる米東部時間5日午後11時15分(日本時間6日午後1時15分)時点の集計では、トランプ氏がテキサス(選挙人40人)、フロリダ(同30人)などで勝利を確実にし、選挙人211人を確保した。ハリス氏はマサチューセッツ(同11人)、メリーランド(同10人)などを制し、145人を固めた。
全体の勝敗を決する七つの激戦州では、ジョージア、ノースカロライナでトランプ氏がややリードするなど、トランプ氏の堅調ぶりが目立っている。
トランプ氏は5日、フロリダ州で投票を終えた後、記者団に「とても自信を持っている。3回目の選挙戦で今回が一番良かった」と手応えを語った。ハリス氏は5日、ワシントンの民主党全国委員会を訪問し、ボランティアらを前に「最高の活動ができている」などと激励した。電話作戦にも参加し、「もう投票は済ませましたか」などと呼びかけた。
今回の選挙は、民主、共和両党にとって異例ずくめの選挙戦となった。
トランプ氏は2022年11月の出馬表明後、米大統領経験者として初めて起訴され、米議会占拠事件関連など四つの刑事事件を抱えて選挙戦に臨んだ。今年7月にはペンシルベニア州で選挙集会中に銃撃を受け、9月にもフロリダ州で暗殺未遂事件に見舞われた。
民主党は、再選を目指していたバイデン大統領が、6月のテレビ討論会で精彩を欠き、7月に選挙戦からの撤退を表明した。後継指名を受けたハリス氏は、党指名候補争いを経ず8月に大統領候補に指名された。
選挙戦で、トランプ氏は国民の不満が強い不法移民の増加やインフレ(物価上昇)などの課題で、現政権の政策を批判した。自らの経済運営能力をアピールし、「今後4年を無能と失敗の時代にするか、米国史上最も偉大な時代にするかの選択だ」と訴えてきた。
ハリス氏は、人工妊娠中絶の規制強化を進める共和党を「女性の体に危機をもたらしている」などと非難し、女性有権者への働きかけを強めた。終盤では「ウソ、憎悪、恐怖をばらまき続けている」などと個人批判を展開し、トランプ氏が大統領として適任かどうかを争点に掲げた。