山田が鹿島戦の決定機逸を悔やんだ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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「自分が決めていれば違う試合になっていた」

 山田新はこう悔しい胸の内を明かした。

 川崎フロンターレは11月1日、J1第35節で鹿島アントラーズとホームで対戦。前半に3点を先行される展開となり、試合終了間際に山本悠樹が1点を返すも追いつけず、1−3で敗れた。

 試合の行方を左右したひとつは、決め切れなかった後半開始早々の2度の決定機。0−3で迎えた52分、マルシーニョとの連係から左サイドを抜け出した三浦颯太の折り返しに、山田が反応。パスは相手GKとDFの間を抜け、ゴールは無人だったが、右足で合わせたシュートはGKのもとにころがり、キャッチされる。

 さらにその1分後には、マルシーニョのクロスに対し、ゴール前にてフリーで合わせた山田のボレーもクロスバーに直撃して得点ならず。2度のビッグチャンスを活かせなかった24歳ストライカーは決定機逸の直後、頭を抱えていた。
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 試合後の取材エリアでも山田はどこか暗い表情で、言葉の一つひとつからも責任を果たせなかった悔しさが感じられた。

「(相手の)ゴール前が緩んでいたのもありますけど、確実に決めれる決定機だった。多くの人が来てくれていましたし、申し訳ない」

 今季ここまで、得点ランキング4位の15ゴールを記録。一時はJ1で15位まで順位を落とし、残留争いに巻き込まれそうな位置にいた川崎が、現在は10位まで上昇し、持ち直すことができたのは、最前線でチームを引っ張ってきた山田の働きも大きい。

 リーグ戦は残り4試合。一度の失敗をこのまま引きずってはいられない。山田は「ここで落ちていてもしょうがないと思うので、応援してくれる人のために次、決めたい」と前を向いた。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)