尹大統領の支持率、初めて20%以下に
大統領の支持率20%は心理的マジノ線だ。任期の折り返し点(10日)を控えた尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の支持率が初めてこれを下回る19%に落ちた。金泳三(キム・ヨンサム)元大統領以降の歴代大統領の任期折り返し点を基準に10%台の支持率となったのは尹大統領が初めてだ。
韓国ギャラップが29−31日に全国満18歳以上の1005人を対象に実施して1日に発表した調査によると、尹大統領の職務遂行に対する肯定的な評価は先週比1ポイント下落した19%となった。否定的な評価は2ポイント上昇した72%だった。
今回は支持層までも離れた。「大邱・慶北」と「60代」だ。大邱・慶北で肯定的な評価は18%と、1週間で8ポイント下落した。ソウル(22%)、忠清(29%)より低い。釜山・蔚山・慶南でも同じ期間に5ポイント下落した22%となった。60代の肯定的な評価も先週の31%から24%に落ちた。与党「国民の力」の支持率が32%と、最大野党「共に民主党」と同率の中で出てきた数値だ。実際、「国民の力」支持者のうち肯定的・否定的評価は44%で同じだったが、前週は肯定的な評価が8ポイント上回っていた(48%)。
主な要因は金建希(キム・ゴンヒ)夫人の問題だった。否定的な評価の理由として金夫人の問題は先週15%だったが、今週は17%に上がった。竜仁大のチェ・チャンリョル教養学部教授は「大統領と金夫人の疑惑が連日出ていたが、大統領室は『問題ない』という態度を変えなかった」とし「大統領室のこうした態度が10%台の支持率につながった」と話した。
文化日報がエムブレーンパブリックに依頼して1日に発表した調査でも、尹大統領の国政遂行に対する肯定的な評価は17%だった。この調査は先月27、28日に全国18歳以上の男女1007人を対象に行われた。
10%台の支持率は国政運営に赤信号がついたことを意味する。盧泰愚(ノ・テウ)、金泳三、盧武鉉(ノ・ムヒョン)、李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)元大統領も10%台を経験した。ただ、数人の大統領は反転に成功した。
少数与党を率いた盧泰愚大統領は3党(民政・民主・共和党)統合を通じて200議席を超える巨大与党を作り出した。ソ連(旧ロシア)との修交などで外交の地平を広げた。その後、支持率は20%台に上がった。
李明博(イ・ミョンバク)大統領も反転に2回成功した。就任直後の「BSE(牛海綿状脳症)問題」で10%台に落ちたが、その後「中道実用路線」で国政の動力を確保した。任期4年目にも苦戦したが、独島(ドクト、日本名・竹島)訪問など対日強硬路線で流れを戻した。
与党からは尹大統領も刷新策で反転を図るべきだという声が出ている。洪準杓(ホン・ジュンピョ)大邱市長はフェイスブックで「尹大統領が崩れれば次期大統領選挙はない。これ以上遅れれば国政の動力を回復するのが難しくなる」とし、大統領室・内閣の刷新を要求した。
鄭鎮碩(チョン・ジンソク)大統領室秘書室長はこの日、国会運営委員会の国政監査で「反騰させるために心機一転し、より一層の努力をする」と述べた。ただ、新年度予算案に関する国会施政演説については「韓悳洙(ハン・ドクス)首相が代読するようだ」と話した。過去11年間は大統領が行ってきた。