Photo: 田中宏和

こちらは「かいサポ(お買いものサポーターチーム)」が編集・執筆した記事です。

フェスやライブハウス、クラブなどで、大迫力の音響に合わせてリズムにノリながらビートを刻んでしまう人。「Decibell Kinetic One」は、あなたのためのイヤホンです。

ちなみにこのイヤホン、私も出資する気満々でいます。(※本原稿を執筆したのは、プロジェクトの公開前です)

なにしろ、サンプルが手元に届いてからずっと使っているのですが、お気に入りの曲が流れるたびに「おお、来たー」なんて言いながら、首を振ってみたり体を揺り動かしてしまうのです、ホントの話。

イヤホン界のB級グルメ

Photo: 田中宏和

“B級” という言葉は、ちょっと品質が落ちると誤解されてしまいそうなので、使うべきかどうか迷いました。でもやっぱり「Decibell Kinetic One」の音には、“繊細” という表現は似合わないと思うのです。

たとえば、ピアノソロや、語りかけるようなヴォーカル曲を好む人にとって、「Decibell Kinetic One」の強烈にスパイシーで濃厚な味付けは、ちょっとシンドイと感じられてしまうかもしれません。

それほど、このイヤホンは明確にキャラが立っているのです。

ライブの音を仮想体験させてくれる

Photo: 田中宏和

ただし、身もフタもないことを言うなら、「Decibell Kinetic One」は所詮イヤホンです。当然ながら、ホール中に響く強烈な振動を全身で感じるのと同じ体験が、「Decibell Kinetic One」でできるわけではありません。

しかし、「振動モジュール」が発生させるズンズンと頭蓋骨に響く振動によって、気がつけば体を揺らしつつ、頭を振ってリズムに乗り、ビートを刻んでしまうのがこのイヤホンの真骨頂。

一度でも「Decibell Kinetic One」の音を聴いてしまうと、重低音を謳う他メーカー製イヤホンのほとんどは、優等生っぽくて大人しいヤツくらいにしか感じられなくなるでしょう。

きちんと高音質

Photo: 田中宏和

あまりにも迫力がある重低音のおかげで、高音の伸びやかさ、華やかさという部分については、比較的目立ちにくい印象もあります。

とはいえ、心配は無用です。

価格相当、あるいはそれ以上に、満足できるレベルの音を鳴らしてくれるスペックを持っていますし、きちんとチューニングされていますので、まず音質面でガッカリすることはないでしょう。

意外なことに、いわゆるドンシャリ音というよりは、中高音域についてはフラットに近いアレンジになっている印象があります。

低音域が異次元な味付けだと感じるのは、「振動モジュール」からでてくる振動に依るところが大きいので、イコライザーでムリヤリ低音ブーストをかけたような不自然さもありません。

首掛けタイプのワイヤレスイヤホン

Photo: 田中宏和

「Decibell Kinetic One」は、流行りの完全ワイヤレスイヤホンではなく、首掛けタイプのワイヤレスイヤホンです。

メリットとしては、大容量バッテリー搭載で連続10時間再生に対応できる点と、うっかり地面に落として割ってしまったり、失くしてしまうリスクが低い点があげられます。

Photo: 田中宏和

個人的には、充電を気にしなくていい有線イヤホンタイプがあれば嬉しかったところですが、これは次回作以降に期待しておきましょう。

イヤーピースは2タイプ

Photo: 田中宏和

ところで「Decibell Kinetic One」は、シンプルなカナル型イヤホンです。専用アプリによる音質調整や、アクティブノイズキャンセリングなどのデジタル的な音響システムは搭載されていません。

そのかわりに、一般的なシリコンイヤーピースに加えて、形状記憶イヤーピース(フォームタイプ)がセットされています。

個人的には、ぜひ形状記憶イヤーピースを試してみて欲しいところ。長時間着用するとやや圧迫感が気になるというデメリットはありますが、少し大きめのものをセットすればシリコンより遮音性能が高くなるので、より没入感が高まります。

むしろ、中途半端な性能で無機質感のあるノイズキャンセリングを使うくらいなら、より自然に遮音される点で優れているとすら感じられます。

Photo: 田中宏和

周波数応答が20〜20000Hz、インピーダンスが32Ωというスペックだけで「Decibell Kinetic One」の性能を推測しようとしても、きっと読み誤ると思います。

現実的に、そのうち飽きてしまい、ナチュラルな音を鳴らすイヤホンに戻りたくなるということもあるでしょう。でもきっと、また「Decibell Kinetic One」を手に取り、“やっぱりこれヤバイ” なんてノリノリで楽しんでるだろうな、なんて未来を想像してしまうんですよね。

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Source: machi-ya