【衆議院総選挙】萩生田光一氏・丸川珠代氏…東京“裏金候補”死闘の12日間 東京“ステルス作戦”最後の訴え 大逆風に必死の抵抗

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それは、強烈な批判に晒され続けた地獄の12日間だった。
自民党の公認を外され、小選挙区一発勝負となった萩生田光一候補。

街頭演説では、「裏金総額2728万円!」のプラカードを掲げた人の姿が…。
その執拗な攻撃に、スタッフは思わず右に左に逃れようとするプラカードをのぼりで必死にディフェンスした。

萩生田光一候補:
守ってくれるはずの自民党が「お前たちが乗ってると船が重いから、自分で向こう岸まで泳げ」と言って、今回公認がもらえない事態になった。

その戦いを覗いてみれば、行き交う人々の反応も冷たく、まさに“ひとりぼっち”の選挙戦。

やっと握手ができても、「なんか痩せたんでないかい?」と言われてしまった。

しかし、そんな状況の中、駆けつけたのは“心の友”片山さつき議員だ。

片山さつき議員:
僕ドラえもんだよー。大山のぶ代さんに声が似ていると言われる片山さつきですが、きょうは八王子のジャイアン、萩生田光一さんの応援にやってまいりました、よろしくお願いします。

“八王子のジャイアン”の元には、“心の友”が続々と駆けつける。

高市早苗氏:
ブルドーザーのように働き実績を出してきた、この萩生田光一。

初の女性首相まであと一歩と迫った高市早苗氏から、あの“コバホーク”こと、小林鷹之氏も。

小林鷹之氏:
兄貴のような存在である萩生田光一候補が大激戦の最中にあるということで、いてもたってもいられず、押しかけました。

果ては、はるばる大阪から日本維新の会の前代表・松井一郎氏まで駆けつけた。

維新の候補もいるのに、なぜ来たのか問われると、松井氏は「長年の友達だから。候補がいるのは知らなかった。情報がなくて」と述べた。

さらに、番組だけが撮影を許された会場には“驚き”の人物がいた。

安倍昭恵夫人:
きょうは主人の魂と一緒に来ている。大臣とか議員とかいう関係ではなくて、本当に信頼し合う、人間同士としてお付き合いをさせていただいたんだなと。

まさかの昭恵夫人が応援に駆けつけた会場では、「萩生田さんの力を必要としています。今こそ、日本を取り戻し、強い経済を取り戻す」という安倍元首相と萩生田候補の絆を描いたその感動を誘うVTRが流された。

昭恵夫人が涙を拭えば、思わず萩生田候補も…。

萩生田光一候補:
ちょっと込み上げるものがあった。安倍政治を継承してかなければいけないという意思を強く持った。なんとしても国政に戻って、その想いをつなげていきたい。

その昭恵夫人が続いて向かった先は、822万円の裏金問題がありながら、なんとか公認を取り付けた丸川珠代候補の元だ。

丸川珠代候補:
ありがとうございます!がんばります〜ありがとうございます!

衆院選は初挑戦ながら「正しい道を行くものが、正しい道を進める政治を、私は改めてここから、作り直していきたい」と力強く語る。

そこが、コインランドリー前だったのはもう“洗濯”は済んだという意味だろうか。

彼女の場合、裏金批判を恐れてか、選挙の活動日程は完全に非公開。

そこで、勝手ながらその選挙活動を追わせてもらった。

午前8時過ぎ、東京・渋谷区内の道路でトレードカラーの真っ赤な選挙カーを発見した。しかし本人は中に乗っていないとみられ、そのまま見失ってしまった。

しかしその後、再び別の選挙カーを発見し、今度は車が止まったタイミングで周囲を伺うと、赤いTシャツの丸川候補の姿があった。

その後、正式に交渉し夜の活動を取材してみると、駅前で帰宅する住民に「こんばんは、おかえりなさい。丸川珠代です」と声を掛けていたが、その声はもうガラガラだ。

そんな彼女に、有権者から「何を変えてくれるんですか?」と質問が飛んだ。

丸川珠代候補:
雇用のセーフティネット。

住民:
雇用のセーフティネット?国民が分かりやすいように、難しい言葉じゃなくて、分かりやすく。

丸川珠代候補:
(セーフティネットとは)何かあった時に、支えになる制度。

丁寧に質問に答える丸川候補ですが、実際に握手をして写真を撮った人たちに本音を聞いてみると。

有権者:
(Q.握手をしても、投票するかの決め手にはならない?)うーん、うーん、ですね…。

そして26日の最終日、丸川候補の姿は恵比寿駅前にあった。

石破首相の横で、「どうか丸川珠代にお力をお与えください、よろしく、よろしくお願い申し上げます」と語る。

一方、“心の友”たちに支えられた萩生田候補は最後の最後まで裏金批判に。

萩生田光一候補:
初めてのことばかりで、色んな意味で手足縛られた状態の選挙だったのでつらかった。いい結果になればいいけどね。

果たして、国民の審判は…。