佐藤輝明(左)の守備力向上を見据える藤川球児監督

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 阪神・藤川球児監督(44)が、佐藤輝明内野手(25)の守備力向上へ「ウルトラC」を用意していることが26日、分かった。それは名三塁手だった小谷野1軍打撃チーフコーチに担当の垣根を越えて、守備の指導にあたってもらうプラン。藤本総合コーチは「別に肩書きとかどうでもええ。テル(佐藤輝)のためになるなら、使えるもんは全部使った方がいい」と熱っぽく代弁した。

 異例の“越権指導”も佐藤輝を思うからこそだ。現役時代に勝負強い打撃が際立った小谷野1軍打撃チーフだが、三塁手としても安定したスローイングやグラブさばきなどに優れ、3度ゴールデン・グラブ(GG)賞を獲得。オリックスのコーチ時代には、3年連続GG賞の宗から助言を求められるほどだった。

 指揮官が描く佐藤輝の来季ポジションも三塁が基本線。両リーグ最悪の23失策を犯した守りの改善は不可欠で、秋季練習では連日特守に取り組み、本人も「チャレンジする気持ちで」と意気込む。経験豊富な田中1軍内野守備走塁コーチに加え、新入団コーチの存在はV奪回のキーマンの弱点克服に向け、とっておきの秘策となりそうだ。

 小谷野コーチは27日から秋季練習に合流する。「テルには経験者の言葉をしっかり吸収してもらいたい。自分も小谷野の考え方とか、どういう形でやっていたかを聞きたい」と藤本コーチ。勝つために型にはまらず、一枚岩になる。球児阪神は柔軟な姿勢でチーム力を高めていく。(小松 真也)