ロシアに派遣の北朝鮮兵、27〜28日に戦闘地域に配置見通し…ゼレンスキー大統領が明らかに

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 ウクライナ国防省の情報機関「情報総局」は24日、ロシアで軍事訓練を受けた北朝鮮兵の最初の部隊が、ウクライナが越境攻撃している露西部クルスク州に到着したと発表した。

 23日に姿を確認したという。プーチン露大統領は24日の露中部カザンでの記者会見で北朝鮮の派兵について聞かれ、事実関係を否定しなかった。

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は25日、軍総司令官の報告として、北朝鮮兵が27〜28日に戦闘地域に配置されるとの見通しを明らかにした。北朝鮮兵が投入されれば、事態は複雑化し、戦闘が激化する恐れがある。

 ウクライナの情報総局によると、露国内に派遣された北朝鮮兵は将官3人、将校500人を含む推定約1万2000人に上り、露極東などの5か所で訓練を受けている。同州に到着したとされる部隊の規模は明らかになっていない。

 プーチン氏はカザンで開催されたBRICS首脳会議の総括記者会見で、北朝鮮兵が露国内に派遣された可能性を示す衛星画像について「画像があるなら、何かを反映している」と述べ、北朝鮮兵の存在を否定しなかった。

 露朝両首脳は6月、有事の軍事援助を定めた「包括的戦略パートナーシップ条約」に署名した。露下院は今月24日、条約批准に必要な法案を可決した。近く上院の可決とプーチン氏の署名を経て成立する見通しだ。

 同条約4条は、いずれかが武力侵攻を受けた場合、軍事援助を行うと明記されている。プーチン氏は会見で4条に言及し、「何をどうするかは我々の判断だ」と強調した。

 朝鮮中央通信によると、北朝鮮のロシア担当の外務次官は25日、「海外メディアが騒いでいるそのようなことがあるとしても、国際法の規範に合致する」と主張し、派兵を事実上認めた。