甲府地裁=2018年11月7日、甲府市

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 甲府市職員の男性(当時42)が2020年に自殺したのは長時間労働などによる過労で精神障害を発症したのが原因だとして、両親が市に約8000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が22日、甲府地裁であった。

 新田和憲裁判長は、市に約5800万円の支払いを命じた。

 提訴したのは、市職員だった向山敦治さんの両親。訴状などによると、向山さんは02年に市に採用され、19年には新設された事務効率課に配属された。係長として非常勤職員の定員管理の取りまとめを担当していた20年1月17日、自殺した。両親は長時間の連続勤務が原因で、市は安全配慮義務を怠ったと訴えた。

 両親側によると、向山さんが亡くなる直前2カ月の時間外勤務は、過労死ラインの80時間を大きく超える月148〜209時間に及び、自殺直前には、うつ病を発病していたという。22年3月には、地方公務員災害補償基金山梨県支部が向山さんを公務災害に認定していた。(棟形祐水)