美味しいご飯を炊くなら、やっぱり「圧力IH式炊飯器」が一番なワケ…「お米のプロ」も驚くその進化
日本人ならほとんど毎日食べているであろう「お米」。できることなら、少しでも美味しく食べたいものだ。そこで重要になってくるのが「炊飯器」。鑑定士として、試食したお米は4000以上。全国を渡り歩いた「お米のプロ」として知られ、著書に『米ビジネス』がある芦垣裕氏が、身近なのに意外と知らない炊飯器の種類と選び方を教える。
「圧力IH式」はお米の炊き方の最新鋭
お米はそのまま食べることはほとんどなく、何かしらの調理を加えたり、おかずを添えたりして食べています。その中でも「炊く」という調理方法が代表的です。
では、お米を炊いて食べる調理方法は、いつから日本に根づいたのでしょうか。考古学によれば、稲作が始まった当初はお米を煮て調理をするのが一般的で、後に蒸す方法に変わり、さらに中世になって釜で炊く方法になったと言われています。
一口に「炊く」といっても、その炊き方は様々ですが、基本は美味しいお水を適量に入れてお米に十分に染み込ませ、焦がさない程度になるべく高火力(98度以上)で加熱することです。
高火力だとお米が美味しくなる理由は、高温にすることでお米のでんぷん質が変化し、独特の粘りとうま味を持つようになるからです。また、高温によって中の水が対流すると、お米の1粒1粒にムラなく熱を伝えることができます。
そんなお米の炊き方の最新鋭である、「圧力IH式炊飯器」にスポットを当てて、お米の調理の世界の扉を開いていきましょう。
「電気炊飯器」には3つの種類がある
皆さんは、お米を普段どのように炊いているでしょうか。電気炊飯器、土鍋、調理鍋、フライパンなど、炊くための器具は様々です。その中でも、現在最も多くの人が使っているのは電気炊飯器だと思います。
電気炊飯器には色々な種類があり、主な種類にはマイコン式、IH式、圧力IH式が挙げられます。価格はマイコン式が1番安く1万円以下、IH式は1万円〜3万円くらい、圧力IH式は3万円以上するのが一般的です。
ちなみに、IHとは「Induction Heating」の略で、直訳で「誘導加熱」という意味です。
これら3種類の炊飯器は、加熱方式が違います。
マイコン式は鍋の底からだけの熱で炊く方式、IH式は磁場を使った電磁誘導加熱により釡全体からの熱で炊く方式、圧力IH式はIH式に加えて水蒸気を閉じ込めることによる圧力で高熱を出す方式となっています。
この中でマイコン式が1番古く、1955年に発売されました。火力が弱く、それまで主流だったガス釜で炊くご飯よりも味が劣りました。
今やここまで進化している電気炊飯器
この後、1988年にIH式炊飯器が発売され、炊飯器で炊くご飯の食味がとても良くなりました。それから4年後の1992年には、圧力IH式炊飯器が発売されます。
これによって、ご飯の味はかまどで炊くご飯と比較しても遜色のない味わいになりました。
内釡も進化を遂げて、お米が加熱されやすいものが登場してきました。具体的には、熱の伝わりやすい銅やダイヤモンドなどを貼り付けたもの、遠赤外線効果がある炭やセラミック素材を使ったものなどです。
その後も電気炊飯器の進化は続きます。
超音波を起こしてお米にしっかり水を吸収させる機能が付いた「超音波炊き」、蒸気を外に出さずに釜の内側に熱を溜める「蒸気レス」など、新しい技術が圧力IH式に組み込まれることで、さらに美味しく炊けるようになってきています。
さらに、最近では多機能な電気炊飯器が話題になっています。
予算が許すなら最新式の「圧力IH式」を
実は、今の主流になっている圧力IH式炊飯器のほとんどは、流通量が全国的に多い「新潟県産コシヒカリ」を美味しく炊き上げるように作られています。そのため、他の産地や品種のお米の場合は、ベストな炊き方になっているとは言えず、本来の味が出ないことも多くあります。
そこで、様々なモードを選べるようにしたり、センサーを付けたりするなどして、様々なお米に合った炊き方ができるような炊飯器も登場してきています。
また、無洗米とお水を炊飯器内にセットしておくことで、自動で計量して炊飯してくれる炊飯器も誕生しています。
これから美味しくご飯が炊ける電気炊飯器を買うなら、最低でもIH式炊飯器をおすすめします。
また、予算が許すようであれば、最新式の圧力IH式炊飯器の方が良いことは、ここまでのご説明でご理解いただけたでしょう。
タイガー魔法瓶株式会社の圧力IHジャー炊飯器<炊きたて>など、最新式の圧力IH式炊飯器の中には、お米を炊くだけではなく、他の圧力調理もできるものもあるので料理の幅も広がることでしょう。
ご飯はほぼ毎日食べる食べ物です。多少高くてもそのリターンは大きいと言えるでしょう。ぜひ、自身で納得のいく炊飯器を選んでみてください。