11日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比84.19ポイント(2.55%)安の3217.74ポイントと反落した。
 足元の相場上昇を受けた利食い売りが優勢。週末の注目イベントを前に手控えムードも強まった。中国ではあす12日、財政部の記者会見が行われる。13日には9月の物価統計が発表される予定だ。うち生産者物価指数(PPI)は、市場コンセンサス予想でマイナス2.6%となり、前月のマイナス1.8%から下げが拡大するとみられている。
 財政部の会見の内容については、中国人民銀行(中央銀行)系の専門紙が先ごろ、「特別国債の増発が発表される可能性が高い」とする専門家の見解を伝えた。一方、一部の証券ブローカーは「消費を直接刺激する政策については、市場の失望を誘う可能性がある」との見方を示している。(亜州リサーチ編集部)
 個別では、中央企業を親会社に持つ「中字頭」と呼ばれる銘柄群の下げが目立つ。中国聯通(600050/SH)が5.2%安、中国建築(601668/SH)が4.0%安、中国船舶工業(600150/SH)、中国旅遊集団中免(601888/SH)が各3.9%安、中国人寿保険(601628/SH)が2.8%安で引けた。
 自動車の一角も安い。安徽江淮汽車集団(600418/SH)が5.2%安、長城汽車(601633/SH)が4.3%安、上海汽車集団(600104/SH)が1.8%安となった。ただ、賽力斯集団(601127/SH)は3.8%高と逆行高。同社は前日引け後、2024年1〜9月期に黒字転換するとの業績予告を発表している。
 一方、証券セクターは総じて堅調。中国国際金融(601995/SH)がストップ高を付けたほか、中国銀河証券(601881/SH)が5.1%高、中信建投証券(601066/SH)が4.0%高、中信証券(600030/SH)が1.5%高で取引を終えた。前日に合併案の詳細を発表し、株価が急騰していた国泰君安証券(601211/SH)は1.6%高、海通証券(600837/SH)は1.0%高と続伸している。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が4.59ポイント(1.68%)安の269.08ポイント、深センB株指数が18.91ポイント(1.54%)安の1207.91ポイントで終了した。
 なお、11日の香港マーケットは重陽節で休場。14日に取引を再開する。(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)