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 俳優の大山のぶ代(本名・山下羨代=やました・のぶよ)さんが9月29日に老衰のため亡くなったことが分かった。90歳。所属事務所が発表した。

 「ドラえもん」の声で知られた大山さんは、晩年は認知症を患っていた。2017年に死去した夫でタレントの砂川啓介さん(享年80)は、15年5月に会見を開き大山さんの認知症を公表。同年発売した著書「娘になった妻、のぶ代へ」では、壮絶な介護生活を明かしていた。

 だが大山さんは認知症発症後も、高いプロ意識を保ち仕事を続けた。自身が校長を務めていた音響芸術専門学校では、ドラえもんの声でのメッセージ収録を求められた際は1発でOKを出したという逸話で知られた。

 大山さんは1933年10月16日生まれ、東京都出身。1956年にNHKドラマ「この瞳」で女優デビュ。そのハスキーボイスが目に留まり、1957年9月放送の「名犬ラッシー」吹き替えで声優としてデビュー。その後、1979年にアニメ「ドラえもん」で主人公のドラえもんの声を担当。05年に勇退するまで26年間担当し、自他ともに認める代表作となった。大山さんは「ドラえもん」のほか、アニメ「サザエさん」では初代磯野カツオ役も担当。女優としても活躍し、映画「思えば遠くへ来たもんだ」、ドラマ「水戸黄門」、「破れ傘刀舟悪人狩り」など人気作に出演。さらに歌手、脚本家、エッセイストなど、幅広く活動した。