菅野智之にメジャー契約の可能性は――米記者が説いた巨人電撃残留の4年前とは異なる“事情”「軽視するべきではない」

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シーズンを通して巨人を支え続けた菅野。リーグ優勝に大きく貢献した大黒柱の存在は小さくない話題となっている。(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 獲得競争はいかなる展開を見せるか。巨人の菅野智之の下した一大決心が小さくない注目を集めている。

 日米両球界で話題沸騰となるキッカケとなったのは、現地時間10月4日に米スポーツ専門局『ESPN』の敏腕記者であるジェフ・パッサン氏がすっぱ抜いたスクープだ。同氏は情報筋の情報として、今オフに海外FAで移籍すると報道すると、本人も「僕自身も向こうでプレーするっていう気持ちでいる」と公表。メジャーリーグ行きが決定的となった。

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 今月11日に35歳を迎える菅野。当然、メジャーリーグ球団のスカウト陣も年齢的なリスクは抱えているはずである。ポスティングシステムでのメジャー移籍を模索した2020年のオフには、レッドソックスやヤンキース、パドレスなど複数球団から関心を集めたが、当時とは置かれた事情は異なる。

 もっとも、今回は海外FAでの市場参戦とあって買い手との交渉にも明確な期限はない。まして今シーズンに15勝3敗、防御率1.67、WHIP0.94と衰え知らずの成績を残した菅野だけに、メジャー契約を勝ち取れる算段はある。すでに本人側もドジャースのムーキー・ベッツらを顧客とする代理人事務所『VC Sports Group』との契約を締結したと報じられている

 まさにメジャー移籍へ準備万端な菅野。そんな日本球界屈指の実力派の去就は、米メディアでも小さくない話題となっている。カブスの専門サイト『Bleacher Nation』のブレット・テイラー記者は、「スガノは渡米してくる大半の日本人投手よりも年上だが、投手にとって35歳は高齢というわけではない」と断言。今季に今永昇太がブレイクを果たした“贔屓球団”への入団の可能性を論じた。

「期待とリスクに応じて契約金を調整する必要がある。だが、彼はフリーエージェント選手になる。契約にポスティング料は必要がない。他球団が、『5番手の投手に近い』と感じていたにもかかわらず、イマナガはうまく適応した。だから、スガノがメジャーリーグで非常に優れた投手になる可能性を軽視するべきではない」

 また、テイラー記者は「スガノは三振を多く取る投手ではないが、多彩な投球スタイルと卓越したコントロールを持ち、MLBでも十分に通用する」と断言。加齢によるパワー不足のリスクを差し引いても余りある総合的な能力の高さを評価した。

 現在の米球界はコロナ禍で移籍市場が停滞した4年前に比べ、よりオープンになっている。それだけに菅野がメジャーリーグでどれだけの評価を得るかは大いに興味深い。いずれにしても、35歳になる年齢を考えれば、今オフは“夢”を叶えるラストチャンスだろう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]