<3>低価格の新型長距離ミサイル開発ブーム

精密な攻撃が可能な巡航ミサイルは高価であるため開発および保有国が少なかった。最近、ドローンなど商用技術が急速に発展し、低コストの巡航ミサイルを開発しようとする動きが増えている。

米防衛産業企業レイドスはブラックアローという射程距離700キロの小型巡航ミサイルを開発していて、秋に米特殊戦司令部のAC−130Jガンシップで発射試験をすることを目標にしている。レイドスはブラックアローをデジタルエンジニアリングを通して少ない費用で迅速に開発し、低費用で生産しようと努力している。アンドゥリルインダストリーズが9月初めに発表したバラクーダ系列製品も似た努力の産物だ。

9月末、英国防省は毎月少なくとも20発を生産して複雑な戦術環境で英国の軍事力を強化することを目標にするプロジェクト・ブレーキストップ(Project Brakestop)を発表した。ワンウェイエフェクター(OWE)ヘビーと命名されたこの攻撃システムはMr82爆弾と似た重さの200−300キロのペイロードを搭載でき、時速600キロと射程距離600キロの諸元を持つことになる。弾道軌跡や低高度巡航モードで飛行でき、衛星航法システム環境でも標的誘導が可能だ。

イスラエルのIAIは今年7月、回転翼と固定翼など多様な航空機から発射できるウインドデーモンという新型空対地巡航ミサイルを発表した。IAIはウインドデーモンが最小限の資源で遠距離にある多様な標的を無力化するよう設計された長距離空対地巡航ミサイル(ASM)と紹介した。ウインドデーモンはヘリコプターのような空中プラットホームから発射され、あらかじめ定められた任務計画に基づき200キロ以上の射程距離で動く標的や停止した標的を攻撃できる。

ウクライナは最近、パリャヌィツャというターボジェット推進ドローンを公開したが、巡航ミサイルとして使用している。公式に公開された諸元はないが、最大射程距離は600−700キロという。

ウクライナと緊張関係にあるベラルーシもアスカロンというターボジェットエンジンを搭載して時速700キロの速度を出す新型空気吸入式ミサイルドローンを開発した。アスカロンの飛行距離は310キロで、飛行時間は約60分。アスカロンは事前設定された座標を基盤とした自動飛行制御システムを備えていて、10キロの高爆破片弾頭を搭載している。

チェ・ヒョンホ/ミリドム代表/軍事コラムニスト