飲酒してから3時間経ち、アルコールが抜けてはずなので「電動キックボード」に乗っても問題ないでしょうか?

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気軽に乗れる移動手段として注目されている電動キックボードを、買い物や通勤などの足として使っている人はいるでしょう。 しかし電動キックボードは自動車よりもスピードやパワーがない分、車を運転するときほど交通規則を意識しないことがあるかもしれません。なかには今回のように、飲酒してから少し時間が経過したら「乗っても大丈夫だ」と考えるケースも想定されます。 本記事では、電動キックボードと飲酒運転に関して覚えておきたいポイントをご紹介します。

電動キックボードで飲酒運転した場合の罰則

電動キックボードは、道路交通法上の「車両」に該当し、出力や大きさなどにより「特定小型原動機付自転車」と「一般原動機付自転車」などに分類されます。前者は運転免許が不要で(16歳未満は運転禁止)、後者は必要です。
まず大前提として、電動キックボードの飲酒運転は法律違反です。運転免許が不要な「特定小型原動機付自転車」であっても変わりません。道路交通法第六十五条一項では「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない」と定められており、違反に対しての罰則も定めています。
第百十七条の二第一項第一号によると、第六十五条に違反したドライバーのうち、酒に酔った状態にあると、5年以下の懲役または100万円以下の罰金に処されます。
第百十七条の二の二第一項第三号によると、第六十五条に違反した者で、身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有していると、3年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されます。
 

アルコールが抜けたと感じれば乗っても問題ない?

飲酒した直後に電動キックボードに乗ることはしないとしても、飲酒後数時間たったら、「もう大丈夫」と考えて、乗りたくなるかもしれません。
しかし「アルコールが2~3時間で抜ける」という考え方にはリスクがあります。アルコールの分解にかかる時間は、お酒の種類や量、性別、体質などによってまちまちのようです。今回のケースのように「3時間たったから大丈夫」とは言い切れないでしょう。
 

アルコールの分解にかかる時間の目安

アルコール1単位の分解にかかる時間は「約4時間」といわれています。アルコール1単位は、純アルコール換算で20グラムとなり、お酒の種類ごとに換算すると表1の通りです。
表1

種別 1単位 ビール 500ミリリットル ワイン 約180ミリリットル 缶チューハイ 約520ミリリットル ウイスキー 60ミリリットル 日本酒 180ミリリットル

出典:大田区「アルコールの『1単位』」を基に筆者作成
これら1単位のアルコール分解に約4時間かかるとすれば、3単位で半日に相当する時間が必要です。仮にウイスキーを3杯180ミリリットル飲んだとしたら、半日はお酒が抜けない可能性があります。
 

アルコールの分解時間には個人差もある

前述の「約4時間」は、体重60キログラムの人を例にした場合です。お酒に弱い人や高齢者の場合はさらに時間がかかるとされています。また体調によっても分解速度は左右される可能性があります。
今回のケースでどれほどのお酒を飲んだか、どのような体質の人が飲んだかは定かではありませんが、3時間では不十分かもしれません。自分では「アルコールが抜けた」と思っていたり、深酔いしている状態ではなかったりしても、酒気帯び状態である可能性は否めないでしょう。
 

飲酒後3時間ではアルコールは抜けていない可能性が高い

飲酒してから3時間では、まだアルコールが抜けておらず、そのまま電動キックボードに乗ると法律違反を犯してしまうおそれがあります。お酒を飲んだら、アルコールが分解されるまで1単位につき標準で約4時間かかるため、飲んだ量に応じて運転まで十分な時間を置くようにしましょう。
 

出典

デジタル庁 e-GOV法令検索 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第百十七条
大田区 アルコールの「1単位」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー