マスク氏による買収以降、Xの価値は8割近く低下したという推計値が公表された/Sergei Gapon/AFP/Getty Images

(CNN)米資産運用大手フィデリティの試算によると、X(旧ツイッター)の価値は米起業家イーロン・マスク氏による2年足らず前の買収以降、8割近く低下した。

マスク氏が2022年10月に440億ドル(約6兆3700億円)を投じてXを非公開化した後、Xは公的には取引されていない。

ただ今回、フィデリティはX株の持ち分の推定価値を公表した。こうした試算は会社の全般的な健全性を示すバロメーターとして注目される。

フィデリティ・ブルーチップ・グロース・ファンドの9月29日の提出書類によると、X株の持ち分の価値は8月末時点でわずか420万ドル。

7月末の試算から24%低下したことになる。マスク氏が22年10月にツイッターを買収した際のフィデリティの試算では持ち分の価値は1966万ドルで、実に79%下落した計算だ。

フィデリティによる新たなバリュエーションが示唆するXの推定価値はわずか94億ドルと、マスク氏が支払った440億ドルを大幅に下回る。ただ、他の投資家の評価額は異なる可能性もある。

アナリストの間ではフィデリティの試算額の急落について、Xの広告収入の縮小を反映している可能性が高いとの指摘が上がっている。Xは現在は四半期決算を公表していない。

フィデリティは個別企業に関するコメントを控えた。Xにコメントを求めたものの、回答はない。