山田杏奈、吉川愛、萩原利久ら実力派若手俳優が集結!新感覚の青春ミステリー「早朝始発の殺風景」
"平成のエラリー・クイーン"と評されるミステリー作家・青崎有吾が手掛けた青春ミステリーを実写ドラマ化した「早朝始発の殺風景」(2022年放送)。「青春は気まずさでできた密室だ」とのキャッチフレーズが示す通り、高校生活の中において生徒たちが抱える小さな秘密、言うなれば他人に知られたくない"心の密室"が、始発の車内やファミレスといった場所で会話によって解き明かされ、そこから開放されていく新感覚のミステリーだ。
全6話構成で、1話は30分弱。啄木高校に通う生徒たちの秘密と解明の過程が各話で描かれるオムニバス形式で、その結末につい微笑んでしまったり、涙腺が緩んでしまったりするユニークかつ温かな物語は、まさに"新感覚"。さらに、高い演技力を誇る若手俳優が多数出演することも本作の見どころだ。
主演は山田杏奈で、今年1月に公開された話題の映画「ゴールデンカムイ」、また10月9日からスタートする続編ドラマ「連続ドラマW ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―」でメインキャストを務める実力派。本作での山田は、主人公の女子高校生・殺風景役を演じる。名前だけでなく性格も個性的で、無口で何を考えているかわからないミステリアスな雰囲気を常に醸していて、その胸にはある強い想いを秘めている。
■内面の動きを如実に映す山田杏奈の瞳に吸い込まれる!
第1話の初頭、昼休みの校内放送で、学校の近くで通り魔事件が発生したと告げられる。机に座って放送を聞いていた殺風景は、立ち上がると手にしていたゼリー飲料を叩きつけるようにしてゴミ箱に捨て、怒りを宿した瞳で教室を後にする。理由はわからないまでも、殺風景の中に尋常でない怒りが渦巻いていることがわかる。短いシーンで人物を強く印象付けられるのは、山田の表現力があってこそだろう。
そしてある朝、クラスメイトの加藤木(奥平大兼)と殺風景が始発電車でばったり遭遇したことから、最初のミステリーが始まる。なぜ加藤木は、殺風景は、こんなに朝早い始発電車に乗ったのか?
山田の演技でひときわ際立つのは、やはり彼女の魅力でもある"目"。所属している映画研究部の撮影をサボってまで始発に乗ったと加藤木が話した時は、上目遣いで「本当に?」と問いかけたり、そのすぐ後に思案げに視線を落としたり。かと思うと、「スマホ見せて」と迫る時には責めるような眼差しになったりと、殺風景の内面の動きが鮮やかに瞳に映し出される。
殺風景は常に無愛想な様子だが、さまざまな感情が宿る瞳には、もっと見ていたくなる"魔力"が潜んでいると言っても過言ではないほどだ。そしてお互いが始発に乗った理由が明らかになってからは、加藤木が殺風景の想いを果たすために協力するようになる。
■それぞれの物語を紡ぐ若手俳優たちの秀逸な演技にも注目!
全話を通して少しずつ殺風景のエピソードが展開していく中で、山田の演技はもちろん、2020年公開の映画「MOTHER」で第44回日本アカデミー賞新人俳優賞ほか複数の映画賞を受賞した奥平の演技も、存分に味わうことができる。
ほかにも、第2話でクラスで着るTシャツのデザインを決めるため仲良し3人組で語り合う屈託のない女子高校生・真田を演じた吉川愛や、第4話で、今は離れて暮らしている妹に拾った猫を飼ってほしいと頼まれる男子高校生・直文を演じた萩原利久ら、子役時代から活躍している力量のある若手俳優が続々出演。それぞれの物語を秀逸な演技で魅せてくれる。
「早朝始発の殺風景」は、10月にWOWOWで全話一挙放送。また、WOWOWオンデマンドでは11月3日までアーカイブ配信している。山田杏奈を始めとした若手俳優たちが体現する青春ミステリーを、ぜひこの機会に楽しんでほしい。
文=堀慎二郎
放送情報【スカパー!】
早朝始発の殺風景
放送日時:2024年10月13日(日)23:00〜
チャンネル:WOWOWプライム
※放送スケジュールは変更になる場合がございます