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 ◇ナ・リーグ ドジャース2―4パドレス(2024年9月24日 ロサンゼルス)

 ドジャースの大谷翔平投手(30)が24日(日本時間25日)、本拠でのパドレス戦に「1番・DH」で先発出場。第1打席は右翼線二塁打で先制点を演出したが、その後は無安打でチームも敗戦。2位パドレスとは8月17日以来の2ゲーム差に迫られた。

 9回は相手守護神スアレスを攻め立て無死一、三塁からE・ヘルナンデスが2点差に迫る中前適時打。なおも一、二塁でロハスを迎えたが、三塁へのゴロをさばいた三塁マチャドが三塁ベースを踏み、さらに二塁→一塁へと転送されてまさかのトリプルプレーで試合が終わった。二塁が微妙な判定でドジャースベンチはチャレンジを行ったが、判定は覆らなかった。トリプルプレーでのゲームセットはMLB史上28度目の珍事。次打者席で備えていた大谷も口をとがらせて悔しがった。午後9時54分の試合後は、黒のニューバランスのTシャツ姿に着替えて試合終了から14分後にクラブハウスを後にした。

 地元ラジオ局「ESPNロサンゼルス」にも出演するドジャース担当のブレイク・ハリス記者は自身のXで、9回の攻撃で強攻策を決断したドジャースベンチの采配を疑問視。ロハスは初球でバントの構えを見せながら見逃してストライク。2球目は内角速球に詰まらされて三ゴロに打ち取られた。ハリス記者は「もちろんトリプルプレーを期待しているわけではないが、最初の球でバントを見せたのに、なぜ2球目でスイングするのだろうか?バントして翔平が打席に立つと、故意四球で満塁になる可能性が高い。バントをしようとして三振しても翔平は打席に立つ」と犠打で大谷に回そうとしなかった采配を批判した。

 さらにハリス記者は別の投稿でも痛烈批判を展開。「私はただ信じられない。これは本質的にはポストシーズンの試合であり、監督やベテラン選手が愚かな決断を下し、誰もがバントをする必要があるとわかっているのにバントをしないという決断を下している。大谷翔平と上位打線を起用しないのは許しがたい」と怒りが収まらない様子だった。

 大谷は初回、右腕キングの初球の内角速球を狙い打ち。110.4マイル(約177.6キロ)の痛烈な打球はワンバウンドで右翼線で弾み、観客席に入ってエンタイトル二塁打となった。これが今季95長打となり、1930年のベイブ・ハーマンの球団記録を94年ぶりに更新した。続くベッツの遊撃へのゴロがボガーツの一塁悪送球を誘い、ドジャースが先制のホームを踏んだ。

 第2打席は1―2と1点を勝ち越された2回2死一、二塁。この打席はフルカウントから内角低めのスライダーを見逃して四球。中継のストライクゾーン表示では下限すれすれにひっかかる投球で、右腕キングは判定に不満を示したが、大谷は自信たっぷりに一塁へ歩いて好機を広げた。しかし、次打者ベッツが空振り三振に倒れて得点はならなかった。

 パドレスは球宴後、メジャー最高成績の40勝17敗の快進撃で、直近も9戦8勝と絶好調。今季は直接対決で3勝7敗とすでに負け越しが決定しており、現在首位のドジャースが3連敗なら同率でパドレスが首位に浮上する。ドジャースは首位攻防3連戦で2勝すればメジャー7年目で自身初となる地区優勝が決まるが、初戦を落として相手に主導権を握られた。