(夜と)SAMPOが本当のバンドになるために――メジャー1stアルバム『モンスター』を語る「一瞬一瞬を全力で、頑張るんじゃなくて楽しみたい」
元ハンブレッダーズの吉野エクスプロージョン(Gt)、加速するラブズのなかのいくみ(Vo)、元フィッシュライフの寺岡純二(Dr)らを中心に2019年に結成。昨年11月にメジャーデビューを果たした5人組、(夜と)SAMPOが1stフルアルバム『モンスター』を完成させた。会社員でありながら音楽を続ける彼らだからこそ、仕事もバンドも本気であるからこそ、メジャーというド真ん中の舞台で挑戦する意義は大きい。今作にはデビュー曲「変身」、TVドラマ『#居酒屋新幹線2』オープニングテーマ他に抜擢された「プラズマクラシックミュージック」、インディーズ時代からのアンセムの再録「革命前夜(2024 Version)」など全11曲を収録。と、ここまでは順風満帆が過ぎる要素を並べ立ててきたが、2ndミニアルバム『はだかの世界』(2022年発表)でケリをつけたはずの「クォーターライフクライシス」は、まさかの続行。20代後半~30代前半特有の理想と現実のギャップ、人生への不安や迷いに翻弄されながらたどり着いた、(夜と)SAMPOからの回答=『モンスター』の世界とはーー? 誰もがふとしたきっかけで承認欲求の怪物になり得る時代にささぐポップソングは、あなたと同じように揺れ、迷いながらも飛んでいく。多くの危機や葛藤の先にあった(夜と)SAMPOの今を、吉野エクスプロージョンとなかのいくみが語る。
吉野エクスプロージョン(Gt)
メジャーの話が来たとき、私は「やめます」って言ったんです
ーーインディーズ時代に出したミニアルバム『はだかの世界』のインタビュー(https://spice.eplus.jp/articles/298201)から2年半経ちましたが、状況は変わりましたね。
吉野:売れるためにスタートしたバンドではなかったんでメジャーに固執するつもりは全くなかったんですけど、曲を出していくにつれて「やっぱり認められたい」という気持ちが強くなっていって。「会社員をしながらメジャーデビューできるのか……!」と思ってもらいたかったと言うとあれですけど、メジャーの話が来たときは正直、うれしかったですね。
ーー普段、会社員をしているからこそ、レコード会社という組織が「一緒にお仕事しましょう」と言ってくれることの重さが、より分かるかもしれないですね。
吉野:だから話をもらったとき、「僕らの活動ペースだと年にライブがこれぐらい、物販の売り上げはこれぐらいで、そうすると現状の収益だとこれぐらいになると思うんですが、それでもいいですか?」って、つい計算しましたから(笑)。向こうにも予算があると思うんで。
ーーそこまでレーベルを気遣った返答はかつてなかったでしょうね(笑)。いくみさんは内心どう思いました?
いくみ:メジャーの話が来たとき、私は「やめます」って言ったんです(笑)。
ーーえぇぇぇぇ! すんげーパンク(笑)。
いくみ:さっき「変わりましたね」という話になりましたけど、私は「変わってたまるか」と思ってたんです。自分としては歌うこと=人生の喜びで、それこそがいい表現になるから、その純度をとにかく高いまま維持することがブレたくない軸で。だからみんなに、「ちょっとごめん、やめるわ!」って(笑)。
なかのいくみ(Vo)
ーー「どうしようかなと思ってる」じゃなくて「やめるわ!」なんだ。もう腹をくくってる。
いくみ:吉野くんにはいろいろと伝えてたんですけど、理由としてはさっきのお金の話もあるし、「他人にお返しをしないといけない」という責任を負う勇気もなかったので。っていうのがぶっちゃけた話ですけど。ただ、その話をしたときにメンバーが、吉野くんを中心に「そんなことを考えなくてもいいようにしたるから」と言ってくれて、いったん続けてみようと。求められるうちは歌おうかなって。
ーーでも、そういういくみさんの何にもすがらない感じがいいですよね。僕の取材メモにも、「いくみさんのこのバンドに没入しない感じが素敵で怖い→歌い手に徹している」と書いてる(笑)。
いくみ:私は(夜と)SAMPOにおいて作詞作曲もしてないし、バンドの思いとか哲学に関してはお任せしてる、あくまで媒体だから。だからこそ今回は、すごくいいアルバムができて感動したんですよ。このバンドの調和の取り方というか奇跡的なバランスを感じて、メンバーに「やめてたらこんなにいいアルバムはできなかったわ!」と、お礼のLINEをしました(笑)。
吉野:何か急にテンション上がってるなと思ったわ(笑)。ただ、いくみちゃんの話は発端ではあるけど気まぐれではなくて、バンドとしてマンネリになっていた部分も確かにあって。例えば、ライブでいつも通りのセットリストをこなすようになってたり、こういうライブにするんやとか、この曲はこう表現したいというコミュニケーションがいつの間にか減ってしまっていた。いくみちゃんからそういう話が出た後、残りの4人で「ちゃんと意識してパフォーマンスしよう」と話し合って、2回テストライブをしたんですよ。
いくみ:そうなんだ! 確かに「楽しかったら続けるわ」みたいな話はしたけど(笑)。すいません、ホントに。
吉野:だから僕も、「この前のライブどうやった?」っていくみちゃんにドキドキしながら聞いて……でも、こうなったのは必然だったなと反省して。そこからは、いくみちゃんが作詞をしてないからこそ、景色を共有しないといけないと思って曲も作ったし、ライブもして、「そう言えば、バンドってこういう感じやったよな……!」と思い出しました。
ーー会社員になってからわざわざバンドを始めたのに、なまじ軌道に乗っちゃったのもあって、「あれ? 何か緩い活動になってない? 何のためにバンドを組んだんだっけ?」みたいな。
いくみ:うちらのコンプレックスとして、「バンドになり切れてない」というのがあって。それこそ、なまじ弾けちゃうもんだから何となく成り立つけど、突き動かされるバンド力みたいなものはない。それはお客さんの反応を見てもそうで、絶対的存在になれてるのかはクエスチョンで。私たちはパンクバンドじゃないから精神性で引きつけるよりは、せっかく曲の幅も広いので、映画的でドラマチックな物語を5人が同じベクトルで表現しようとしないと薄っぺらくなると思っていたところで。そこからスタジオとかで、「何を描きたいのかを全員が理解しないと絶対に響かない」みたいな話をした記憶があって、それがいいふうに働いたならうれしいし、自分も含めて今はそれができつつあるんじゃないかな。
ーーこの2年半は、(夜と)SAMPOが本当のバンドになる時間だったんですね。
いくみ:そう思ってますね、私は。
「吉野くん、脱皮した!」と思った(笑)
ーーとは言え、20代後半~30代前半特有の「このままでは何者にもなれない」という悩みや葛藤は、『はだかの世界』で描き切ったと思いきや、バンドのソングライターであり発起人としても、尽きない自問自答がやっぱりまだあったんですね。
吉野:『はだかの世界』で思っていたことはうそじゃないし、無理やり肯定していたわけででもないんですけど、正直、「肯定できる自分であるべきだ」みたいなところもやっぱりあって……人間って分かった気になる生き物だと思うんですよ(苦笑)。そこからさっき話したような挫折も経て、今回は「バグってることも含めて自分である」と認めたというか。
ーー何者にもなれない自分への可能性に、まだ未練があると諦めて受け入れる。『モンスター』にはまさにそのようなことが、人生には答えがないと描かれていて。
吉野:「そういう人(=承認欲求モンスター)になったらあかん」と道徳心から思ったりもするんですけど、「そう思ってしまうことは仕方ない」と、最近は思えるようになりました。
いくみ:作品のコンセプトを壊すようですけど、私がずっと思っていたのは、「何者にもなれないって何?」ということで。例えば、知らない誰かが名前を知っているほど有名である、もしくは何か偉業を果たした……何者にも何らかの設定があると思うんですけど、私自身の考え方としては、自分は自分以上でも以下でもないと受け入れて、それと同じぐらい他人を尊ぶことが、人生の喜びをつかむ一番の近道だと思ってるんです。だから、「認められる」とかいう相対評価とか自分への絶対愛について考える時期があったとき、「何者かになりたい/なれない」みたいな発想に違和感を感じて。私は今回のアルバムが好きで、何か上からみたいで恐縮ですけど、「吉野くん、脱皮した!」と思った(笑)。彼は会社員としても頑張ってるから、そういう負荷が生じやすい環境にいるのもあると思うけど、こうなりたいと思う目標と、今そうなれてない自分とのギャップに頭を抱えるタイプかなと思って。「別にいいじゃん、瞑想でもしてありのままの自分を受け入れろ!」と思ってたから、吉野くんがさっき「そう思ってしまうことは仕方ない」と言えたのが、本当にうれしくて……! そうは言っても自分もやっぱり思っちゃうし、アルバムの構成的にも、そういう「人間のさが」も含めて受け入れるフェーズになってるから。
ーーしかも、よりいくみさん自身にも近い精神性で歌えますもんね。いや~人生の先を行ってますわ、いくみパイセンは。
いくみ:えー! 恐れ入ります(笑)。もちろんメンバーそれぞれの観点があると思うけど、今作ではみんなで肩を組めている感じがあるんですよね。
ーーそうなれたのも、吉野くんが滋賀に引っ越したことがかなり関係していて。自分を変えるには「付き合う人を変える/時間の使い方を変える/住む場所を変える」とよく言いますが、滋賀に移ったことで自分を許して「idea」のような核心を突いた曲が生まれたなら、その変化を身をもって感じてますよね?
吉野:うん、やっぱり普通の平日が……辛くないというか。
ーー何とも重い一言ですね(笑)。
いくみ:彼はたくさん背負ってきたんですよ! 本当に良かったよね、滋賀に移って。やっぱり情報=ノイズが多過ぎるところに身を置くとあっぷあっぷになっちゃうので。その辺はだいぶ断捨離できたんじゃないかな?
アルバムとしてのストーリー性にロマンを感じる
ーー先ほどアルバムの構成の話が出ましたけど、今作は最初からコンセプチュアルな作品を作ろうというビジョンがあったと。
吉野:20代の最後に作るアルバムやし、前から「コンセプチュアルなものを作りたい」とみんなに話すこともあったんですけど、それを何にするのかが難しいなと思って。全員それぞれ生活も性格も思ってることも違うし。
いくみ:会話が不足してたらコンセプトも立てられないから、スタジオに集まって「ジュンちゃん(=寺岡)、最近思ってることないの?」とか聞いても、返しが弱いんですよ(笑)! 最終的なコンセプトは吉野くん主導で決めたけど、そういう会話を重ねる時間はあえて設けました。
吉野:結局、その話し合いから全体のコンセプトは出てこなかったんですけど(笑)、まずは曲ごとのテーマとか小さなところから話し合って。特に「モンスター」はコードと歌だけのデモから、「こういう人物が歌ってる」とか「こういう色味」とかをみんなでイメージして曲ができていったので。ただ、サビらしいサビがない変な構成だったから、アレンジャーのHayato Yamamotoさんから「ポップな曲だしサビがあった方がいいんじゃないですか?」と提案されたりもしたんですけど、「モンスター」が割と電子的な曲だったんで、同じメロディを使ってアコースティックでサビがある対照的なバージョンを作ってみて、それが「モンスター」との対比から「ヒューマン」という曲になった。あとは、アルバムのタイトルをメンバー内で票を取ったら「変身」もいいよねという話になって、「モンスター」「変身」「ヒューマン」みたいな流れ自体をコンセプトにしていった感じですね。
ーーSNS時代に生まれた「モンスター」が、ありのままの自分でいいんだという「idea」を見つけて「変身」し「ヒューマン」になる。曲順自体がそのまま現代社会にフィットしたコンセプトになる聴かせ方は、アルバムならではの醍醐味ですよね。
いくみ:うちらはアルバムとしてのストーリー性にロマンを感じるCD世代なので。
ーー今までのデモをかっちり作り込んで渡して、それぞれのパートが弾いて、というやり方が変わったのも、いくみさんの発言を発端にもっとバンドになるために、みんなで意見を交わして楽曲を作り上げていったからこそで。
吉野:ある意味、いくみちゃんが「やめる」と言ってくれたおかげかも(笑)。
基本軸が「欠乏」なんですよ
ーー「idea」は20代の最後に一番いい曲が書けたと明言してましたけど、できたときに今までとは違う手応えを感じたんですか?
吉野:感じましたね。僕は劇的でポップなキメが得意なんですけど、そういうことを全くやらずに曲を書いてみようと思って。ちょっとした当て書きでもあって、僕が滋賀の甲賀市にお試しで3カ月住んでみたとき、市役所の方とすごく仲良くなったんですよ。一緒にバーベキューして、今でも遊ぶぐらいに(笑)。その方と過ごした日々がめっちゃ楽しくて、<はみ出す何かに 出くわすような>という歌詞は、その方が僕らと飲んだ日にヘビにかまれたことから生まれたんで(笑)。
ーー時は2024年、5Gに生成AIにVR、何でもかんでもデジタルな時代に、ヘビにかまれるという生々しいエピソード(笑)。
吉野:元々は<かみつく何かに出くわす>と書いてたぐらいで(笑)、ホンマに田舎で終電も早い。でも、特に何かがあるわけではないけど本当にいいところで……<きっとここは天国じゃない でも地獄からは一番遠い>場所だと思ったし、そういう曲が作れたのも自分としてはうれしかったですね。
ーーミックスのリファレンスとしてくるりの「ばらの花」や、ふくろうずの「ごめんね」を挙げていたのも納得で。「ごめんね」なんかは、イントロの淡々としたエイトビートだけで何でこんなに感動するんだろうと今でも思う。音楽の理屈の抜きの力を感じますよね。
いくみ:あの曲でしか摂取できない感情がありますよね。
ーーそして、「idea」でもまさにそれができている。この曲でついに<答えはいらないのさ>という境地に達しましたけど、今作を通して歌詞に<ない>が多いなと思って。振り返らない、止まれそうにない、変わらない、いらない、消えない、選べない、分かり合えない、動けない、続かない、暇もない……吉野くんの深層心理がにじみ出ているのかなと。
吉野:それはありますね。「モンスター」でも<たりない何かに 脅かされてる>と歌ってますけど、基本軸が「欠乏」なんですよ。そこを何かで埋めたくなっちゃうのが人生だけど、本当の意味で埋められるものはない、みたいなところが曲の元になったのかなって。
将来的に「あの頃の僕らはこんなことを思ってたな」という卒業アルバムにしたい
(夜と)SAMPO「モンスター」Music Video
ーー今作の中で個人的に好きな曲は、2曲目の「シャドウ」で。疾走感のあるギターソロからの大サビ裏のベースラインもカッコいいし、1曲目の「モンスター」からの流れも含めて、「これぞ(夜と)SAMPO!」というアグレッシブな側面をより鋭利にしてみせた、スピード感のあるポップスですね。
吉野:まさに鋭利にしようと思って作りました。僕はやっぱり「idea」が好きですけど……。
いくみ:私は「YES」ですね。特にライブでやってるところを見てほしいな。さっき「バンドになりたい」みたいな話になりましたけど、この曲が一番バンド感があるし、「YES」という絶対的肯定、そういう多幸感を共有する曲がうちらにはあんまりないので(笑)。やっぱり何事もハッピーに捉えた方がいいじゃないですか。多角的なアプローチができるバンドだからこそ、持っておきたい側面ではあったし。ハッピーでダンサブルでみんなでイエーイみたいな曲が(笑)、うちらでもちゃんと成立するという答え合わせができたのはうれしかったな。
ーーあと、「モンスター」と「ヒューマン」が同じメロディでもアレンジが違うとこんなに変わるんだという点は面白いですよね。気付かない人もいるぐらいだと思うし。
吉野:そうなんですよ(笑)。「ヒューマン」ができたときはちょっと涙しましたね。この曲の最後に<いつかこの歌も意味を無くす>と出てくるんですけど、『モンスター』というアルバムを将来的に「あの頃の僕らはこんなことを思ってたな」という卒業アルバムにしたいし、そのときが来るまではお守りになるようにと思って。
ーーここまで話を聞いてくると、働きながら音楽をしてる(夜と)SAMPOですけど、音楽だけで生活してる人たちより、音楽がないとダメな人たちな感じがしますね(笑)。
いくみ:音楽にしがみついてる(笑)。
吉野:逆にモンスターになるのも音楽があるからこそですから(笑)。
今回でやりたいことはやり切った
ーー9月21日(土)大阪・Live House ANIMAでのリリースツアー大阪編は、フリージアンとCAT ATE HOTDOGSがゲストです。フリージアンは、2020年8月の(夜と)SAMPOの始動ライブにも出てくれるはずだったバンドなので(※当時はコロナ禍の影響によりワンマンライブに変更)、つながりは強いですね。
吉野:僕はフリージアンのカズシさん(=マエダカズシ)は関西で一番のボーカルやと思ってるんですけど、ライブに呼びたくない気持ちもあって。あの歌に食われたくない(笑)。みたいな嫉妬も若干ありつつ、CAT ATE HOTDOGSは僕が一方的に好きで、the band apart的なアンサンブルもカッコいい。どこからかの帰り道に「魔法をかけて」を初めて聴いて、「これはいい曲だ!」と思ったのを今でも覚えてます。
ーー9月28日(土)東京・Spotify O-nestの東京編は、インナージャーニーとpeanut buttersがゲストです。
吉野:インナージャーニーは、ベースのとものしんが(夜と)SAMPOをすごく好きでいてくれて。(夜と)SAMPOを始めた一番最初に、「新しくバンドを組みます!」と言ってデモをXにアップしたんですけど、彼がbloodthirsty butchersの『kocorono』のTシャツを着て初めて僕らの東京でのライブを見に来てくれたとき、「そのデモからずっと聴いてます!」と言ってきたんで相当なファンです(笑)。新体制になってからの音源も、変わらずフォークを基調にしつつ、またちょっと違うアプローチが素晴らしいなと思って。peanut buttersは昔から好きで、トンツカタンの櫻田佑さんと対談したとき、「対バンは誰がいいと思います?」と聞いたら「peanut butters」と言われて、「確かに!」と思ってすぐに誘いました。
ーー日程はどちらも土曜と会社員に優しい設定で(笑)。ツアーや今後に向けては何かあります?
吉野:最近は毎日、風呂に入りながらライブをイメージしていて、微々たるランニング中も(ギターを弾くしぐさをして)リハーサルしながら走ってるんです。だから周りから見たら結構ヤバいヤツかもしれない(笑)。制作的には今回でやりたいことはやり切ったんですけど、もう脳内に8曲ぐらい新曲があるんで、次はもっとフリーに、コンセプトもあえて決めずに作ってみようかなと思ってるところですね。
いくみ:私は今を生きる、それだけです。別にこのバンドがどうとかじゃなく何事もそんな感じで、過去のことも先のこともあんまり考えてなくて。やりたいことは全部やってきたし、いつ死んでもいいと思ってるので。ていうのも、定期的に「死ぬまでにやりたいことリスト」を作ってるんですけど、ほぼ終わったんですよ。あとはちょっと英語が喋りたいぐらい(笑)。私は基本、衝動で生きているので一瞬一瞬を全力で、頑張るんじゃなくて楽しみたいですね。
取材・文:奥“ボウイ”昌史 撮影:松本いづみ